糸魚川市山寺に約500年前から伝わるという国の重要無形民俗文化財「おててこ舞」を、日本の祭りを支援する運動を続けているエジプト考古学者の吉村作治さんが見学に訪れた。吉村さんは「地元に溶け込んだ素朴で素晴らしい祭りだ」と感じ入っていた。
「おててこ舞」は正式には「根知山寺の延年」という。「延年」は本来、寺院で法会の後に行われた芸能を指すことから、長寿を願う舞を意味し、舞の一つ「おててこ舞」が祭りの名として知られるようになった。
かつては山寺集落の住民しか舞台に立てなかったが、現在は人口が減少し、周辺の住民や関係者の支援で祭りが続いている。祭りを守るため、子供も含めたあらゆる世代が練習を重ねてきたという。
本祭の前夜、日吉神社で宵宮が行われ、9曲の舞がおごそかな雰囲気の中で奉納された。
当日は、神社の下にある金蔵院から参加者が出発し、途中、観音堂で神輿が合流する神仏習合を色濃く残した儀式だ。稚児も保護者の肩車に乗って行列に参加した。
その後、境内の舞台で稚児舞楽を中心に神楽・万才・獅子舞などを加えた10曲が奉納され、見物客らが熱心に見守った。
吉村さんは「名前から、もっと騒がしい舞かと思ったが、ゆったりとしたこの地域を表すような踊りだった」と評価。「稚児になった子供を見る親もうれしそうだった。こうした行事は親であることを見直すきっかけにもなる」と話していた。
NSTで15日放送
この祭りの様子は15日午後2時から、NSTのダイドードリンコスペシャル「根知山寺の延年~おててこ舞~」で放送される。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140910-00000068-san-l15