15都道府県で感染者が81人に上ったデング熱。いずれも容体は落ち着いているというが、病気を媒介するヒトスジシマカに刺されて、デングウイルスに感染しても発症しない人もいる。“無傷”で済む人と発症する人は、何が違うのか。
「人の体に侵入するウイルスの量と免疫力の違いですが、ウイルスの量を減らすことは不可能。つまり、症状の有無を左右するのは免疫力で日頃から高いレベルをキープしておくことです」(東京医科歯科大名誉教授・藤田紘一郎氏=感染症学)
ポイントは、食事と睡眠だという。
「外敵から身を守る免疫はいくつか担当が分かれていますが、大きな部分は腸内細菌が担っています。腸内細菌の数が多くて、活発なら、免疫が強い証拠。免疫の強さを示すもの? ウンチの大きさです。ウンチは7割が水分で、残りが食べかすの食物繊維。食物繊維は腸内細菌のエサとなり、それが多いほど腸内細菌の数が多く、活発なのです。腸内細菌の数は戦前の3分の1に減っていますから、厚労省が勧める1日20グラムの食物繊維の摂取は最低条件。できれば、2倍の40グラムは摂取したい」
■サラダより煮物
食品100グラムに含まれる食物繊維は、乾燥きくらげ57グラム、ひじき43グラム、干ししいたけ41グラム、あおのり38グラム、切り干し大根20グラム。サラダの材料になるホウレンソウやレタス、キャベツなどは5グラム未満だから、サラダより煮物の方が効果的だ。例えば、ひじきの煮物100グラム、切り干し大根100グラム、きくらげ50グラムと肉などの炒め物を3食に分けて取ればいい。
「ウイルスの侵入で真っ先に働く免疫細胞は、寝不足だと活性が20%にまで低下します。6時間は休み、規則正しい生活を心がけることです」(藤田紘一郎氏)
蚊に刺されるのをゼロにはできないだけに、ウンチが大きくなるまで食物繊維を十分取って休むことだ。
日刊ゲンダイ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140909-00000026-nkgendai-life