手足など体が不自由な人が自立更生できるような環境作りや福祉分野の調査、取り巻く問題に関する社会啓発活動などを行う全国組織「全国肢体不自由児者父母 の会連合会」(略称=全肢連)の第47回全国大会(東海日日新聞社など後援)が6日、豊橋市藤沢町のロワジールホテル豊橋で開幕した。7日までの期間中、 全国から集まった約1000人の参加者が、重度障害があっても地域で生きる共生社会の実現に向けて、情報交換や議論を行う。初日は開会式や記念講演が行わ れた。
開会式で主催者あいさつに立った全肢連の清水誠一会長は「子どもが自分たちの望む地域で安心して将来に向けて生活していけるようにしたい」と述べた。大 会委員長の愛知県肢体不自由児者父母の会連合会の中神達二会長は、障害者の差別禁止や社会参加を促す国連の障害者権利条約を、日本が今年1月に批准したこ とに触れ、「障害者福祉については批准がゴールではない」と述べ、国内でさらなる関連法の整備を訴えた。
記念講演は、2012年のロンドンパラリンピックで、球技「ボッチャ」に日本代表で出場した加藤啓太さん(27)が、障害者スポーツについて介助者とともに意見発表した。
加藤さんは、06年からジャパンカップ3連覇や、10年の世界選手権大会で全日本キャプテンを務めた経験がある。障害者スポーツについて「社会参加や社会規範、自己決定力が身につき、交流の場が生まれる。勝ち負けに伴うさまざまな感情も得られる」と利点を挙げた。
一方、諸外国と日本の差にも言及し「韓国などはプロ契約や報奨金制度があり、選手が週6~7日、仕事としてスポーツをしている。日本では海外遠征費用は 基本個人負担で200万円かかったこともあり、これを外国選手に話すととても驚かれる」と国内の競技サポート体制の遅れを指摘。「代表合宿ができるよう な、泊まり込み練習可能の公共施設が欲しい」と訴えた。
このほか、豊橋市や岡崎市の肢体不自由児者父母の会の会員らが寸劇を披露。特別支援学校卒業後の子どもたちの将来に対する不安や入所施設、医療についての現状を紹介した。
7日は、シンポジウムでの意見交換や、在宅支援策の充実などを踏まえた大会決議文を決議する予定。
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