「働かざるもの食うべからず」とは言いますが、体調を崩してしまってどうしても勤務できないこともたまにはありますよね。しかし「多少無理をしてでも働く べき」という風潮がある現代社会では、あまり休みすぎると解雇されるかも……なかなか休みを取りにくいな、と感じている人も多いはず。そこで今回は、病欠 するとき解雇されないように注意したいポイントをご紹介します。知っているのと知らないのでは、安心感にも大きな差が生まれますよ!
■ 解雇されないように病気欠勤をするには
◎ 就業規則を確認しよう
まずは基本中の基本、会社の就業規則を確認しましょう。見るべきなのは「休職規定」の部分です。そこでは2つの項目を確認します。
・休職制度が適用になる対象者
・休職期間
まず休職制度が適用になる対象者は、通常は正社員だけです。しかし専門性の高い契約社員であれば対象となる場合もあるので、確認しておきましょう。次に休 職期間ですが、通常は勤続年数によって差があります。正社員であっても入社1年未満であれば休職制度を適用させない会社もあるので注意しましょう。
◎ 必要なら診断書を用意しよう
病欠するとき、診断書が必要なのかどうか気になりますよね。これは会社の規定によります。1日の病欠でも診断書を求める会社があるかもしれませんし、診断 書ではなく病院や薬局からもらう領収書の提出を求めるかもしれません。上司に聞いてみるのが確実です。通常は、1週間以上欠勤する場合や、休職申請をする 場合に診断書が求められる場合が多いようです。
■ 病欠する前に知っておきたいこと
◎ 病気になったら有給休暇を使える?
基本的に年次有給休暇は、従業員が希望する日に申請できるようになっています。しかし、「その日に休まれると業務に支障が出る!」と会社が判断した場合 は、会社による時季変更権が行使されます。つまり有休の取得は時季変更権を前提としたものであるので、時季変更権の行使が実質的に不可能になってしまう当 日の申請は認められないのです。しかし一般的には会社の裁量で認めることも多いので、直接聞いてみる価値はあるようですよ!
◎ 傷病手当金について
被保険者が病気などで会社を休んでいる場合、「傷病手当金」を受けることができます。下記条件を満たす人が対象です。自分が当てはまっていれば申請した方が安心ですね。
・業務外の病気やケガで療養中である
・療養のための労務不能である
・連続4日以上仕事を休んでいる
・給与の支払いがない
支払われるのは、1日につき標準報酬日額の3分の2に相当する金額です。もし会社から給与が一部支払われている場合は、その金額が手当より少ない場合の み、その差額が支給されます。傷病手当を受けられる期間は、同一の傷病について支給を開始した日から最長1年6ヵ月間です。
■ 病欠で不当な対応をされたら
◎ もし不当だと思ったらするべきこと
一部のブラック企業において、もし「どう考えても不当な解雇だ!」と思ったのなら労基署に相談してみてください。しかし、病欠を理由に大幅な減給や解雇を されることはまずありません。ただ、病欠が長く続き年休も使い果たしている場合は欠勤扱いとなるので、ノーワークノーペイの原則に従って賃金は支給されな い可能性が高いです。また労働をしないことは契約違反になるので、休職制度の適用を受けていない場合、解雇されても文句は言えません。解雇や大幅な減給が 本当に不当なものなのか考えてから、労基署に相談してくださいね。
◎ 病欠による業務の損害責任
病欠によって業務が遅延したなどの責任は会社にあります。会社は「従業員の労働力を購入して成果の獲得を図る」という考え方で成り立っています。この場合 の従業員の義務は労働力の提供までです。病気などによって会社に損害が発生したとしても責任を問われる可能性は低いでしょう。飲酒運転など従業員の重大な 過失によって会社に損害を与えた場合は、従業員に対する損害賠償請求が認められる場合もあります。
■ がんばりすぎないことも大切!
なにより身体を大切にしないと働くことができなくなってしまうので、どうしても体調がすぐれなければ休暇をとったほうが後々良い結果につながります。がんばりすぎないこともデキる社会人の要素ですよ!
※こちらの記事は、専門家プロファイルより経営コンサルタント・本田 和盛さんにご提供いただきました。
(著:nanapiユーザー・専門家プロファイル 編集:nanapi編集部)
http://news.mynavi.jp/news/2014/09/05/294/