国内感染が広がっているデング熱について、厚生労働省は5日、東京都新宿区の区立新宿中央公園で蚊に刺され、デング熱を発症したとみられる患者が確認されたと発表した。代々木公園(渋谷区)周辺以外で感染者が確認されたのは初めて。新宿区は公園の蚊の駆除を始めた。
厚労省によると、患者は埼玉県の30代男性で8月中旬から下旬、5回にわたり新宿中央公園を訪れた。8月30日に発熱や頭痛などの症状を訴えたが、入院はせず、容体は安定している。
男性から検出されたウイルスの遺伝子配列は代々木公園で感染した患者と一致しており、同じウイルスが新宿中央公園に広がったとみられる。新宿中央公園は 代々木公園の北約2キロで、行動範囲が100メートル以内とされる蚊が移動したとは考えにくいことから、厚労省は代々木公園周辺で蚊に刺された患者が、新 宿中央公園周辺で別の蚊に刺されたことで感染が広がった可能性が高いとしている。
厚労省などによると、岩手県と山口県でも初めて国内感染の患者が確認され、5日までに感染が明らかになった患者は14都道府県で72人。いずれも最近の海外渡航歴はなく、新宿中央公園の例を除き、70人は東京の代々木公園周辺を訪れていた。重い症状の患者はいない。
厚労省は「代々木公園に限らず、蚊に刺されて3~7日後に高熱や目の痛みなどの症状があった人は、早めに医療機関に相談してほしい」としている。
http://www.iza.ne.jp/kiji/life/news/140905/lif14090516110017-n1.html