男女による育休取得の割合(厚生労働白書)
平成26年度厚生労働白書によれば、6歳未満の子どもをもつ親の育児と家事に費やす時間が男女によって、相当違いがある。
男性は1時間7分。
女性は7時間41分。
育児と家事のほとんどを女性がこなしている。
男性は長時間労働などを理由に、育児や家事に参加できていない様子も見えてくる。
育児休業取得率の推移も以下のように、相当な差がある。
女性が83,6%。
男性が1,89% (平成24年 厚生労働白書より)。
10年前と比較し、女性の育児休業取得率は増加してきたにも関わらず、男性の育児休業取得率は一貫して低いままだ。
相変わらず、結果として育児と家事は女性が行うものになってしまっている。
そして、専業主婦だけの世帯は、近年減り続け、平成9年を境目に、夫婦共働き世帯の方が上回った。
この傾向は今も続いており、夫婦共働き世帯は増え続けている。
要するに、夫婦共働き世帯の方が多い社会だ。
賃金や働き方の違いはあっても、男女ともに働いている。
専業主婦の世帯は今後も減り続けるだろう。
だから、子育てと家事の問題は、女性の問題ではない。
夫婦が共働きで、子育てと家事を分かち合いながら、働き続ける暮らしが求められる。
昔は主に、男性が賃金を稼ぎ、女性が家事と育児を担ってきた。もう昔の話だ。
今は男性の賃金は下がり続けている。
正社員の比率も下がっており、若い世代では約半数が非正規職員であり、賞与や福利厚生がないことも珍しくない。
もはや男性だけで家計を支えることは、はっきりいって無理な状況といえる。
だから、女性にも活躍してもらわなければいけないという。
そんな社会で、子育てや育児に参加できない男性と結婚すると、女性は一日中、育児と家事と就労に追われる生活になる。
余暇を楽しむ時間はごくわずかと言ってもいいかもしれない。
そのような生活が長時間続けば、誰でもストレスを受けて苦しくなってしまうだろう。
結婚を考えている方は、お付き合いしている男性が料理はできるか、育児に対する価値観は合うか、家庭における共同生活はどのようにしていこうと思っているのか、聞いてみてほしい。
あるいは男性の働いている企業は、育児や家事に対して理解はあるだろうか。
柔軟に休めるようになっているだろうか。
いろいろと考えていただきたい。
実は年々、このような夫婦生活における「就労・子育て・家事」の役割分担による危機は広がっている。
わたしが所属するNPO法人ほっとプラスの相談のうち、離婚を経験した方の多くは、価値観の不一致という。
特に、「就労・子育て・家事」における役割分担の過重な負担か、期待された役割が担えないことによるものだ。
この問題を解決できないと離婚事由にもなってくる。
離婚率も上昇を続けている。約3組のうち1組が離婚を経験する。
そして、これは個人の問題でもない。社会システムの問題でもある。
女性活躍推進担当大臣が創設された。
なぜ女性は未だに家事や育児に縛られるのか。
政府は、かなり以前から問われている課題にいい加減、真剣に向き合っていただけたらありがたい。
真剣に取り組まないと少子化は止まらないし、子育て世帯が「就労と育児と家事のバランス」を保つことは極めて困難を伴うだろう。
だから、特に女性活躍などではなく、男性に対する職場からの解放政策、子育て支援策を充実していただきたい。
育児や家事に参加できる男性を促進・拡大する政策に期待している。
http://blogos.com/article/93826/