車は乗るけれどタイヤ交換なんてとてもできない!と考えている方も多いのではないでしょうか?しかし、実はタイヤ交換ってとても簡単にできちゃうんです。
そこでここでは、女性や初心者でもできるよう、あのカー用品店最大手「オートバックス」さんに監修していただいたタイヤ交換のやり方を、詳しくご説明します!急なパンクでスペアタイヤに変えたいときやスタッドレスタイヤへの履き替え工賃を節約したいときなどに備えて、挑戦してみてはいかがでしょうか?
タイヤ交換のポイント
コツをおさえれば女性でも簡単に行えるタイヤ交換ですが、車を持ち上げての作業になりますので、危険と隣り合わせなのは間違いありません。慎重を期して作業をしましょう。
また、慣れてくるとどうしても作業が雑になりがちですが、1つの作業を怠っただけで大事故につながる可能性もあります。一つ一つの作業を丁寧に行ってくださいね。
必要な道具
- ジャッキ
- 十字レンチ
- 輪留め
- ウマ(ジャッキスタンドとも言います)
- グローブ(できれば革製のもの、なければ軍手でOK)
輪留めは、あらかじめ交換するタイヤと逆の方のタイヤにはめておきます。たとえばフロントタイヤを交換するなら、リアタイヤの後ろに輪留めをはめます。リアタイヤを交換する場合は、フロントタイヤの前に輪留めをはめましょう。
タイヤ交換の方法
STEP1:準備
まずタイヤ交換は、視界がよく安全な場所で行うことが大事です。以下の条件の下で、作業を始めてください。
- 時間:晴れている昼間
- 場所:傾きのない平らで広い私有地(駐車場など)
夜や雨が降っているときは視界が悪く、思わぬトラブルに気づけない可能性が高いです。必ず「昼間」に、そして「晴れているとき」、最低でも「曇っているとき」に作業をしましょう。また、強風が吹いているとジャッキアップした車が揺れる可能性があり危険ですし、雨上がりの後など地面が濡れていると滑ることもあります。風や地面の状態もよくチェックしておきましょう。
服装は、長そで長ズボンをおすすめします。意外に汚れるので、汚しても大丈夫な服を着ましょう。グローブは革製のものなど、しっかりレンチを握れるものをおすすめします。なければ軍手でも大丈夫ですが、滑り止めがついているものがよいでしょう。
またタイヤ交換をする車は、車内に人が乗っているということが絶対にないようにしましょう!窓やドアはすべてしっかり閉め、サイドブレーキもかけておきます。オートマチック車の場合はパーキングに、マニュアル車の場合はニュートラルにギアを入れておきます。
タイヤは、ホイールに取り付けた状態のものを交換する本数だけしっかりそろえておきます。また、ホイールキャップをかぶっている場合は外しておきましょう。
STEP2:ナットを緩める
準備ができたら、まずは今車についているタイヤのナットを緩めます。なお、ここでは完全にナットを取るのではなく、ジャッキアップしたあとに作業しやすいように少し緩めておく程度です。
まず、タイヤのナットに十字レンチを差し込みます。しっかり差し込めていないとナットやホイールを傷つけてしまうので気を付けましょう。レンチが差し込めたら、レンチに体重をかけるようにしてナットをゆるめます。ナットが抵抗なく回るぐらいになるまで緩めておきましょう。
ナットを緩める方向はメーカーなどによって異なりますが、基本的には左回しです。左回しにしても緩まなかったら、右回しで緩むタイプのナットであるか、とても固く締められているかどちらかです。前者の場合は右回しを試してみればいいのですが、後者の場合は素人には対処できません。プロにお願いするといいでしょう。
1つ目のナットが緩め終わったら、次はそのナットの対角線上にあるナットを緩めます。ナットを緩めたり締めたりする場合、基本的には対角線を描くような順番で作業をします。こうすることで、タイヤが傾いてネジ山が破損することを防げます。
この作業をすべてのタイヤに行います。
STEP3:ジャッキアップ
いよいよジャッキアップです。まずはジャッキポイントを確認しましょう。車の下を見てみると、フレームに少し切込みが入ったような部分があります。そこがジャッキポイントです。ジャッキポイントはフレームのあらゆる位置に作られていますが、交換するタイヤに近いジャッキポイントを使うといいでしょう。
次にジャッキの確認です。今回はパンダジャッキを使いましたが、油圧ジャッキでももちろんOKです。パンダジャッキは車に付属していることも多いので、手軽に使えますよ。
ジャッキが問題なく使用できるようでしたら、いよいよジャッキアップです!
ジャッキはあらかじめ、ジャッキポイントに入るぎりぎりくらいの高さまでアップしておくことをおすすめします。適度な高さまでアップしたら、ジャッキポイントにうまくはまるように車体の下に入れます。
パンダジャッキの場合は、ハンドルを取り付けて回すことでジャッキアップさせます。ハンドルを取り付けるための穴があるので、そこにハンドルをはめこみましょう。
ハンドルがはまったら、時計回しに回すと、車体が浮き始めます。強い力は必要ありませんので、女性でも簡単にジャッキアップできます。
車体はそんなに高く浮かせる必要はありません。タイヤが地面から1~2cmほど浮けば十分です。自分がジャッキアップ作業をしているとどれだけ車体が浮いたのかわからなくなりがちですので、誰かに見ておいてもらうのもおすすめです。
万が一に備えて、ジャッキアップしたあとにはウマを入れておきましょう。
STEP4:タイヤを外す
それではタイヤを外していきましょう。
ここで注意です。たとえばリア部分をジャッキアップしていると、リアタイヤ2本とも交換が可能です。しかし、タイヤ2本を一気に外し、そのあとタイヤ2本を一気に取り付けるという工程ではなく、「片方のタイヤを外し、取り付ける。もう片方のタイヤを外し、取り付ける」という工程で行うようにしましょう。慎重に行うに越したことはありません。
先ほどナットは緩めてあるので、まずはナットを外していきます。地面に座り込んで足でタイヤを押さえ、タイヤが不用意に動かないようにするのがおすすめです。
ナットを緩めるときと同様、1つのナットを外したら次はその対角線上にあるナットを外していきます。ナットを外していくと、タイヤが動いてネジ山を傷つける可能性がありますので、なるべくタイヤを動かさないように作業しましょう。
すべてのナットを外したら、ゆっくりとタイヤを外します。少し持ち上げるようにして水平に引くと、ネジ山を傷つけません。
これでタイヤが取り外せました!
STEP5:新しいタイヤを取り付ける
新しいタイヤを、取り外しのときと同様に水平にネジ山に差し込んでいきます。タイヤはかなり重いので、ぎっくり腰にお気を付けください!
STEP6:ナットを締める
タイヤが差し込めたら、ナットをつけていきます。最初は手を使ってナットをクルクル回してもOK。この段階ですべてのナットをある程度取り付けておきます。
すべてのナットがはまったら、十字レンチを使って締めます。ジャッキダウンした後にしっかり締めるので、ここではあまり力を入れすぎなくても大丈夫です。
また、十字レンチを使って締めるときは、ナットを緩めるときと同様、対角にあるナットを締めていくようにします。
これで、タイヤの交換は完了です。
STEP8:ジャッキダウンする
2つのタイヤ交換が終わったら、ジャッキダウンします。ウマを外し、改めて車体の下を確認して、危険がないことを確かめましょう。
パンダジャッキの場合は、ハンドルを反時計回りに回せばOKです。
油圧ジャッキは、一気に緩めると車体が急激に落ちてしまうので、ゆっくりと緩めていきます。コツも力もいりますので、ここは女性には難しいかも。自信がなければ、男性やプロにお任せしましょう。
車体を下ろしたら、ジャッキはひとまずよけておきます。
STEP8:ナットを増し締めする
タイヤが接地したので、ナットをしっかり締めていきます。持てる限りの渾身の力で、ぐっとナットを締めます。ここでも対角にあるナットを順に締めていきましょう。
増し締めはかなり重要な作業ですが、これも力がいります。可能であれば、男性にお任せしてもよいでしょう。
なお、いくらしっかり締めることが必要でも、足で蹴るなど急激な力を加えると、ナットや工具、ホイールが傷ついてしまう可能性があります。手を使って締めるようにしましょう。
完了!
すべてのタイヤに同じように作業し、作業を終えたら完了です!一応、すべてのナットにレンチを当ててみて、しっかりと締まっているかを確認しましょう。
とはいえ素人には難しいタイヤ交換……
とにかく安全第一のタイヤ交換作業。慣れれば簡単ですが、頻繁にやるものでもないので、慣れること自体が難しかったりします。
もし自分にはちょっと難しいかも……とちょっとでも感じたら、専門店にお願いすることをおすすめします!無理して作業して事故に遭うより、プロにお願いする方が遥かに安心です。
オートバックスでなら、タイヤ交換はもちろん、タイヤにまつわる様々なサービスを受けることができます。また、女性ドライバー向けのWEBサイトも充実!タイヤ交換は1本1,000円(税抜き)からととてもお得なので、自信がなければお近くのオートバックス店舗まで問い合わせてみてくださいね。
(監修:オートバックス)
(撮影協力:日本大学芸術学部 自動車部)
(image by PresenPic)
(image by nanapi編集部)