拍動が遅くなったり一時的に途切れたりする徐脈。徐脈による失神で、運転事故や転倒を起こす危険があればペースメーカでの治療が勧められる。注意したい電磁波の例も紹介。
1.徐脈とは
心臓の拍動リズムが遅くなる状態を徐脈といいます。徐脈で血液の循環が悪くなると、肺に血液がたまって息切れを起こしたり、体がだるくなったり、むくんだりします。最も大きな問題は、脳の血流が低下し、めまいや失神を起こす危険性があることです。ただし、自覚症状が現れないこともあります。
徐脈の多くは加齢や動脈硬化が原因です。また、甲状腺の病気で、甲状腺ホルモンの分泌が低下することが原因になる場合もあり、これは若い人にも起こりやすいとされています。そのほか、頻脈に対する薬の効き過ぎや、一部の高血圧の薬の副作用で徐脈を起こすこともあります。
2.治療を検討するとき
徐脈は直ちに命に関わることは少ないため、自覚症状がなければ経過観察する場合が少なくありません。しかし、徐脈を原因として失神を起こす場合は、歩行中の転倒や、自動車運転中の事故を起こす危険性があるため、すぐに治療が必要です。一般に、徐脈に対してはペースメーカによる治療が行われます。
ペースメーカは電気信号によって徐脈を改善する機器で、体に埋め込んで使います。重さ20g前後の本体に、リードと呼ばれる線が通常は2本つながっています。手術は局所麻酔下で行い、通常、利き腕と反対側の鎖骨の下を4~5cm切開して、本体を皮膚と筋肉の間に埋め込みます。リードは血管を通して右心房と右心室に送り込み、先端を固定します。心臓の拍動が遅くなるとリードが感知してそれを本体に伝え、本体は心臓に電気信号を送って拍動を正常なリズムに戻す仕組みです。故障することはほとんどありませんが、半年に1回程度の点検と、7~8年に1回の本体交換のための再手術が必要です。
☆ペースメーカを使っている場合の日常生活の注意点については、
きょうの健康テキスト 8月号に詳しく掲載されています。
NHK「きょうの健康」2014年8月12日放送分
http://news.goo.ne.jp/article/kenkotoday/life/kenkotoday-20140812-h-001.html