脳梗塞の原因になる心房細動などの危険な不整脈。動悸(き)などがなくても隠れていることが。発見には心電図の検査を。脈を自分で調べてリズムが乱れている場合も要注意。
1.不整脈のタイプと危険度
心臓は、右心房、右心室、左心房、左心室という4つの部屋に分かれており、1分間に60~100回の拍動で拡張と収縮を繰り返して、血液を送り出すポンプの役割を果たしています。このリズムが乱れ、心臓の拍動が速くなったり遅くなったりするのが不整脈です。心拍が速くなるタイプには、心房で血液がよどんで血栓ができやすくなり脳梗塞につながる心房細動と、心室が痙攣(けいれん)したような状態になり突然死につながる心室細動があります。どちらもすぐに治療を始める必要がある危険な不整脈です。脈が遅くなるタイプは徐脈といいます。直ちに命に関わることはないのですが、脈拍が通常の1/3~1/2に減るため、脳へ届く血液が少なくなって意識を失う場合があります。ほかに、正常な波と波の間にときどき異常な波が現れる、期外収縮と呼ばれる不整脈もあります。これは健康に影響しない場合がほとんどなので、あまり心配ありません。
2.不整脈を見逃さないために
不整脈がある場合、息切れ、だるさ、むくみ、めまい、失神などの症状がある場合もありますが、自覚症状がなくても危ない不整脈が隠れている場合があります。心電図を調べて確認することが大切です。
基本の心電図検査では、胸と手首、足首に電極を取り付けて、15秒程度心電図を記録します。中高年の場合は、年に1回はこの基本の心電図検査を受けて不整脈をチェックすることが大切です。ただしこの検査では、検査のときに不整脈が現れなければ見つけることはできません。不整脈が疑われる症状のある人や、不整脈のリスクの高い人は、24時間の心電図を記録できるホルター心電計や、自分で測れる小型の携帯型心電計の使用を検討しましょう。
☆各不整脈の心電図の波形については、
きょうの健康テキスト 8月号に詳しく掲載されています。
NHK「きょうの健康」2014年8月11日放送分
http://news.goo.ne.jp/article/kenkotoday/life/kenkotoday-20140811-h-001.html