女性のがんのうち最も多い乳がんで若い世代の患者が増えるなか、治療を受けながら子どもを望む患者を支援しようと、抗がん剤が生殖機能に与える影響などの情報を盛り込んだ治療のガイドラインを厚生労働省の研究班が初めて作成しました。
女性のがんのうち、最も多い乳がんで40歳未満の若い世代で発症する人は4年前の時点で年間4000人と、10年前のおよそ1.5倍に上り、年々増加する傾向にあります。
抗がん剤や放射線による治療は生殖機能を損なうこともあるため、妊娠や出産を望む患者の中には子どもを諦めざるをえない人も少なくありませんでした。
こうしたなか、厚生労働省の研究班は、妊娠や出産を望む患者への治療のガイドラインを初めて作成しました。
ガイドラインでは、抗がん剤などの治療によって生殖機能を損なう可能性があることを患者に説明するよう医師に求めたうえで、それぞれの抗がん剤について生殖機能に与える影響などの情報や、治療する前に卵子を凍結保存することなどの選択肢も示しています。
厚生労働省の研究班の代表で国立がん研究センターの清水千佳子医師は、「医療の進歩でがんは治る時代になった。治療を受けたあとの人生が豊かなものになるよう医療機関はガイドラインを活用してほしい」と話しています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140829/k10014173471000.html