県内の障害者福祉施設で2013年度、知的障害がある利用者8人が施設の職員2人に平手で殴られるなどの虐待を受けていたことが26日、厚生労働省が実施した障害者虐待状況調査で分かった。県は施設を運営する法人に対して、改善計画書の提出を求めるなどの指導を行った。
施設職員による虐待があったのは、知的障害者らの就労を支援 する民間施設。県障がい福祉課によると、50歳代の男性管理者と20歳代の生活支援員の女性職員が、10~40歳代の男性利用者8人に対して、平手で殴っ たり大声でどなったりするなどの虐待を加えていた。けがや精神的な後遺症はなく、虐待を受けた利用者は現在も同じ施設に通所している。
虐待を受けた利用者が、地元の自治体に相談したことで問題が発 覚した。県は施設名や虐待の頻度などを公表していない。こうした対応について、同課は「今回の調査は、施設に対する罰則ではなく、虐待の周知や注意喚起が 目的。施設に指導を行い、すでに改善されており、詳細は公表しない」としている。
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26日に発表された昨年度の障害者虐待状況調査によると、県内 の虐待に関する相談・通報件数は38件。このうち虐待を受けたと認定されたのは男女20人に上った。調査は12年10月に施行された障害者虐待防止法に基 づいて行われた。12年度は下半期で相談・通報件数は30件、虐待を受けた人数は13人だった。
http://www.yomiuri.co.jp/local/yamagata/news/20140826-OYTNT50609.html