病気の子どもから摘出した肝臓を、別の病気の子どもに移植するドミノ肝移植を国内で初めて行ったと、国立成育医療研究センター(東京都)と自治医大(栃木県)のグループが25日、発表した。2人の容体は安定しているという。
グループによると、手術は6月に実施。「メープルシロップ尿症」の1歳女児の肝臓を摘出し、父親の肝臓を移植。取り出した臓器は、肝臓が原因で出血を繰り返す難病「プロテインC欠損症」を持つ別の1歳女児に移植した。
メープルシロップ尿症は、肝臓や筋肉などで、ある種のアミノ酸を分解する機能が働かず、脳障害や死亡に至ることがある病気。健康な肝臓の移植を受ければ一 定の機能を得られる。摘出した肝臓を別の病気の子に移植しても、肝臓以外の場所でアミノ酸を分解できるため問題はないという。
プロテインC欠損症の女児は、両親の肝臓が移植に適さなかった。脳死に至った成人から提供を受ける機会もあったが、子どもへの移植が難しい状態だったという。
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2014082500810