ソーシャルクラウド(東京都港区)が運営する「下宿らうど」は、親元を離れて慣れない1人暮らしを始める学生らと、空き部屋を有効活用したい高齢の家主をインターネット上で引き合わせる部屋の紹介サイトだ。
学生にとっては安心で手頃な家賃の下宿先を見つけられるメリットがある一方、核家族化や単身世帯の増加に伴う高齢者の孤立を防ぐ有効策としても注目されている。
空き部屋を貸したい人はサイトに登録し、入居者を募集する。サイトは通常の物件募集と同じく、間取りや築年数、近隣情報、建物の写真を掲載。朝・夕食の賄 いの有無やオーナーの紹介もある。家主がネット手続きに不慣れな場合は、電話による入力サポートや登録の代行をしてもらえる。
物件は全国から募集しており、入居を希望する学生は入学予定の大学を選ぶだけで、通学に便利な下宿先の一覧を検索できる。
家主の希望に応じて入居者は大学生に限定せず、両親が海外赴任した中学生や社会人なども受け入れている。
下宿らうどを活用し、20代の若者を下宿させている東京都内在住の男性は「10年前から1人暮らしだったが、息子のような話し相手ができて張り合いが出てきた」とうれしそうに話す。
サービスは5月に開始。7月末時点で物件数は180件前後あり、これまで約20件の成約があった。賃料は東京都内で平均月5万円台。ソーシャルクラウドが賃料の15%を手数料として受け取る。
井上諒社長は「フランスでは政府主導で空き部屋の入居を促進し、高齢者の孤立防止に役立てている。将来は入居者の対象を広げ、行政などとも連携して介護支援分野での活用を目指したい」と話している。
http://www.sankeibiz.jp/business/news/140825/bsl1408250500003-n1.htm