旬を迎え、おいしくて、値段もお手ごろになってきている「青じそ」。でも、「薬味以外の使い道が思いつかず、使い切れない」、「冷蔵庫に入れたまま、ダメにしてしまう」というお悩みが、あさイチアンケートには多数寄せられました。そこで今回は、青じそを徹底的に活用するために、「抗酸化力が強い成分“ルテオリン”を効率よく吸収する技」や、「色よく香りよく保存する方法」、「香りの秘密」、「おいしい青じその育て方」に関するスゴ技をご紹介しました。
■色よく香りよく保存
青じそを買ってきたまま冷蔵庫に入れておくと、2~3日で変色したり、しなびてしまいがちです。そこで、青じそ料理が得意な庄司いずみさんに、オススメの青じその保存法を紹介してもらいました。
まず、口の広い空き瓶に少量の水を入れます。そして、青じその柄の先の部分を切り、切り口の柄の部分が水につくように立てて瓶に入れます。空気にあまり触れないようにフタをするのがポイントです。これで冷蔵庫でおよそ1~2週間、ピンとしたまま保存できます。
それでも余ってしまいそうな場合、庄司さんのオススメは、乾燥させて「青じそふりかけ」にすることです。ご飯にかけるのはもちろん、天ぷらの衣に入れたり、お湯を注げば青じそ茶に変身させたりできる、優れものです。色、香り、体によい成分を残して乾燥させるため、陰干しにします。天日干しだと黒くなってしまい、成分も酸化してしまいます。また、電子レンジにかけると香りが失われてしまいます。
■青じそふりかけ(つくりやすい分量)
☆作り方
1.青じそ適量を2~3日間、風通しのよい所に置いて陰干しする
2.ポリ袋に入れて手で砕き、塩少々を加えて混ぜる
<取材協力>
庄司 いずみ(しょうじ・いずみ)さん 野菜料理家
伊藤 美千穂(いとう・みちほ)さん 京都大学大学院薬学研究科 准教授
■香りの秘密
日本有数の青じその産地、愛知県豊橋市では、青じその収穫真っ盛り。葉を傷つけて香りが失われないよう、1枚1枚丁寧に収穫しています。地元農家の方のオススメの料理が、「焼き肉の青じそ巻き」。味をつけて焼いた豚肉を青じそで巻くだけの簡単料理ですが、葉の裏が上になるように巻くのがポイントです。葉の表が上になるように巻いたものに比べ、格段に、口の中でしその香りが広がります。
その謎を解くため、しそを研究して22年、京都大学准教授の伊藤美千穂さんを訪ねました。葉の裏を顕微鏡で見ると、香り成分がつまった「腺鱗」という粒がびっしり。一方、葉の表には腺鱗がほとんどありませんでした。
腺鱗の中の香り成分は油にしみ出る特性があります。その性質をいかし、食べたときに青じその香りが存分に楽しめる伊藤さん特製の「青じそのしょうゆオイル漬け」を紹介してもらいました。
■青じそのしょうゆオイル漬け(つくりやすい分量)
材料
青じそ…10枚
サラダ油・しょうゆ・みりん…各大さじ2
☆作り方
1.青じその葉の裏に1枚ずつ、サラダ油を1滴ずつ垂らす
2.青じそを密封袋に入れ、しょうゆ、みりんを加えて腺鱗がつぶれるように軽くたたく
3.そのまま数時間おく
<取材協力>
浦野 行正(うらの・ゆきまさ)さん 豊橋温室園芸農業協同組合 大葉部会
伊藤 美千穂(いとう・みちほ)さん 京都大学大学院薬学研究科 准教授
■おいしい青じそを育てる
自宅のベランダなどで青じそを育てるコツを園芸家の深町貴子さんに紹介してもらいました。青じそは発芽するのに光が必要なので、種をまいたら土はごく薄くかける程度にします。そして、発芽したあとは、葉と葉が重なっていると病気の原因になるので、株の数を調整します。さらに、発芽したあと、常に日なたに置いておくと葉がかたくなってしまうので、明るめの日陰に置くのがオススメです。どうしても日なたにしか置けない場合は、園芸店で売られている「寒冷紗」(かんれいしゃ)を筒状にして鉢にかぶせると、直射日光を防ぐことができます。
農薬を使わない害虫対策も伝授してもらいました。青じそを好むアブラムシやハダニは光が苦手です。そこで、深町さんオススメなのが、アルミはくを通した針金を土に差し、アルミはくが反射する光で虫を避ける「キラキラ作戦」です。また、水が嫌いなハダニを防ぐために、1日1回、葉の表と裏に霧吹きで水をかけるのも効果的です。
<取材協力>
深町 貴子(ふかまち・たかこ)さん :園芸家
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NHK「あさイチ」2013年6月11日放送分
http://news.goo.ne.jp/article/asaichi/life/asaichi-20130611-a-002.html