小学校に上がってからも夜尿があると、子どもが自信を喪失し、心理面・社会面・生活面にさまざまな影響を与えかねない。しかし、積極的な治療を行う ことで早期に夜尿が消失した例もあるという。夜尿症の専門医である昭和大学藤が丘病院の池田裕一氏に、最新の治療法について伺った。
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生活改善を1か月間続けてもよくならない場合は、アラーム療法によって治療を開始します。1か月に1回程度の通院をしていただき、2~3か月間ぐらい様子を見ます。
おねしょアラームは、寝る前にお子さまのパンツに小さなセンサーをつけ、パンツが濡れるとアラームが鳴ってお子さまを起こす仕組みです。治療開始 4~6週間以内に効果が見られ、再発が少ないことがわかっています。種類にもよりますが、8,000円くらいから手に入ります。正しく使用するには、専門 医の指導を受けるようにしましょう。本人やご家族に強いモチベーションがないと継続するのが難しいようですが、継続すると非常に効果が高い治療法であり、 当院での事例では、3か月継続した場合の有効率は83%、6か月の場合、94%になっています。
おねしょ治療では、「起こさない」ことが原則とされていた時代もありましたが、最近の研究では子どもの脳波を調べてみると、脳の発達には影響しないと言われていますので、睡眠の質低下を心配される必要はないと思います。
ただ、アラームの音は比較的大きいので、家庭の環境や家族の理解が必要です。さらに、最初の3か月ほどは、お子さまが自分で起きることはできないので保護者がお子さまを起こしてトイレまで連れて行き、おしっこが残っていれば完全に排尿させる必要があります。
http://benesse.jp/news/kosodate/wellness/20140816120013.html