夏休み、旅行などに出かけるときに心配なのが「植物の水切れ」。出かける前にやっておきたい対策や、いざというときのレスキュー法、夏の水やりのコツなどを紹介しました。
■出かける前にやっておきたいこと
日陰に置く
室内は高温になることもあるので、できれば屋外の日陰、しかも風通しのよいところが置き場所としてはベストです。日陰がない場合は、留守の間だけ、物干しざおにすだれをかけて、日陰を作るとよいでしょう。
受け皿に植物を入れて水を張る
受け皿に水を張れば、鉢底から水を吸わせることができます。土が乾いている状態だと水を吸いにくいので、鉢の中にも水をやっておきましょう。ただし2~3日までで、それ以上鉢底を水につけると、根が水浸し状態のため根腐れを起こしてしまいます。
また、鉢土の表面に、水ゴケを置くと、土の水分の蒸散を減らす効果があります。
■給水グッズなどでできる留守中の工夫
給水グッズを使う
ペットボトルに装着して使う給水グッズが、園芸店やホームセンター、100円均一のお店などで売られています。事前に試してから使わないと失敗することがあるので注意しましょう。特に、以下のポイントを確認してください。
・ペットボトルの容器と合うか
ペットボトルの口と、給水グッズのサイズが合わないことがあるので確認しましょう。口の部分で水漏れを起こすこともあるので、その場合はテープでキャップの口を覆うなど、工夫して使いましょう。
・日なたで使わない
日なたでは、ペットボトルの水が高温になって植物を傷めることがあります。また、ペットボトルの凸凹がレンズのように光を集めてしまい、周りに火災が起こる恐れがあるので、ペットボトルのラベルははがさないようにして、必ず直射日光の当たらないところで使いましょう。
・水の出る量を確認
土に差したあとに「プクプク」と空気が勢いよく出て、その状態が続くようなら、水の出すぎです。グッズに穴が空いているものは、ペットボトルに近い側の穴をテープでふさいで使うなど工夫しましょう。自分で穴をあけるタイプは、穴の数を調整しましょう。
※給水グッズは、取り扱い説明書をよく読んで使用しましょう。
園芸用の保水剤を使う
土の保水力を高めるグッズもあります。
・土に置いて使うもの
根元近くの土の上に直接置くだけで、徐々に必要な分量だけ水が浸透します。
・土に混ぜて使うもの
たっぷり水を吸収してくれるもので、土に混ぜておけば、植物が水を少しずつ吸うことができます。
※植物を日陰に置き、しっかり水やりをした上で使いましょう。また、説明書をよく読んで、事前に試してから使用するのがおすすめです。
■植物がしおれていたときのレスキュー法
自宅に旅行などから帰ってきて、植物がしおれていた場合は、水を張ったバケツに鉢ごと沈めて、水を吸わせましょう。
枯れていなければ、1時間ほどつけておくと、葉に元気が戻ります。そのあと、植物が体力を使い切っている状態なので、活力剤(肥料なし)をやりましょう。植物が弱っている場合、肥料をやるとよけいに弱ってしまうことがあるので、肥料はやらないようにしてください。
■夏の水やりのコツ
ポイントは、朝と夕方の2回、水やりをすることです。日中の気温が高いときに水をやると、鉢の中の水が高温になります。高温の水に植物が長時間つかった状態になると、根が酸素欠乏状態になって、傷むことがあります。
ただし、うっかり朝の水やりを忘れて、日中に植物がぐったりとしていたら、応急処置として、日中に水をやりましょう。そのときは、鉢の大きさの5倍くらいの量の水をやって、植物の温度を下げることが大切です。そして、日陰など涼しいところに置きましょう。
出演者:金子明人さん(園芸研究家)
番組およびこのページは特定の製品・店舗を推奨するものではありません。
製品・サービスの特性や使用上の制限、契約内容・条件などについては、各自におかれまして、メーカーや販売会社に十分ご確認ください。
NHK「あさイチ」2014年8月1日放送分
http://news.goo.ne.jp/article/asaichi/life/asaichi-20140801-a-002.html










