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ダイバーは注意したい、潜水病(減圧症)の原因・症状・治療法

■潜水病(減圧症)とは

周囲の環境の圧力が急速に減圧されると、組織に溶解している気体の溶解度が減少します。その結果、窒素ガスなどの気体の体積が増加し、組織が圧迫され、血液の流れが悪くなります。この状態を、「潜水病」といいます。また、減圧によって起こるので、「減圧症」とも呼ばれています。

土木工事の基礎工事などで、地下水が入ってこないように圧縮空気を送り、作業できるようにした箱のようなものを潜函(せんかん)と呼びますが、潜函内では、環境の圧力が上がっているために、作業後に急に外に出ると減圧症を起こします。そのため、「潜函病」とも呼ばれています。

■潜水病(減圧症)の症状

減圧病の症状は以下のように分類され、下になるほど重症です。

・皮膚型:ちくちく刺されるような痒み、皮下に空気がたまる皮下気腫

・運動器型:四肢の関節や筋肉の痛み、特に肩や肘の関節での症状が多く、ひどいときには骨が壊死する

・呼吸循環型:呼吸困難、頻脈、血圧低下、ショック状態、肺破裂、肺水腫、肺高血圧、心筋梗塞

・中枢神経型:運動麻痺、知覚障害、尿が出なくなる、めまいと聴力障害、吐き気、立つことができない起立障害、腹痛

血管内に気泡ができることで血液の流れを止めてしまうことを「空気塞栓」といいます。空気塞栓が起こった臓器は血液量が減るために機能低下してしまいます。

■潜水病(減圧症)の治療

気体は基本的に上へ向かいます。それは人間の身体でも同じで、頭部や心臓への気泡を防ぐために、頭部を下げて左側臥位にします。肺破裂の場合は酸素吸入をします。

大きな静脈までカテーテルを入れて気泡を除去します。全身に症状が出ますので、全身管理が必要で、骨が壊死した場合は手術することもあります。

高圧タンクによる再圧治療が行われることがありますが、これらの設備は一般の医療機関には常備されていません。

■潜水病(減圧症)になりやすい条件

□水深10m以上で深く長く潜水する
□深いところから急激な浮上をする
□1日のうちに繰り返し潜水する
□高年齢
□太っている
□二日酔い、疲労状態、脱水状態にある
□関節部の打撲傷や運動器疾患がある
□水温が寒冷
□潜水中の作業が激しく、潜水後に運動をする
□同一深度・時間での潜水を日々繰り返す

■潜水病(減圧症)の予防

□1回および1日の潜水時間を短くする
□段階式の浮上をする
□短時間での頻繁な潜水を避け、深い潜水なら1日1回にする
□浮上時に酸素呼吸をし、窒素ガスを排出する
□肥満の方や高齢者などの潜水は避ける
□保温力のある潜水服を使用する
□浮上後は安静を保つ
□水分を摂取する

再圧が必要な場合は、早期に医師に連絡することをお勧めします。ただし、再圧室のある医療機関がどこなのか、あらかじめ確認しておきましょう。

文・清益 功浩(All About 医療情報・ニュース)

清益 功浩

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140818-00000006-nallabout-hlth

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