[ カテゴリー:事件, 子ども ]

少女遺棄事件 市に暴行の相談も

愛媛県伊予市の市営団地の部屋で17歳の少女が遺体で見つかった事件で、先月中旬、近くの住民が若い女性が暴行を受けているのを目撃し、「このままでは殺されるかもしれない」などと市の職員に相談していたことが分かりました。
警察は死体遺棄の疑いで逮捕した、この部屋に住む36歳の女や少年らから事情を聞くなどして少女が死亡したいきさつについても調べを進めています。

この事件は15日、午前0時すぎ愛媛県伊予市にある市営団地の部屋の押し入れで松山市に住む無職の大野裕香さん(17)が遺体で見つかったものです。
この部屋には、36歳の無職の女と子どもの家族5人が住んでいて、警察はこの女と、16歳から18歳の少年3人を15日、死体遺棄の疑いで逮捕しました。
この部屋には死亡した少女をはじめ、女の子どもの知り合いの少年らが頻繁に出入りしていたということです。
警察の調べによりますと、少女は顔が腫れ上がり殴られた痕のあざのようなものがあったということで、死後数日がたっているとみられるということです。
伊予市によりますと先月18日、地元自治会との会合が開かれ、近くの住民が若い女性が団地で暴行を受けているのを目撃し、「このままでは殺されるかもしれない」などと伊予市の職員に相談していたことが分かりました。
伊予市では状況を確認するため職員が、この部屋を2回訪問しましたが、いずれも応答がなく、暴行の有無は確認できなかったということで、市から警察には連絡していませんでした。
若い女性が被害者の少女かどうか最終的に確認されていませんが、警察は逮捕した女や少年らから事情を聞くなどして少女が死亡したいきさつについても調べを進めています。

伊予市への情報提供生かせず

今回、事件が起きた市営団地を管理する伊予市の都市住宅課は先月18日、団地の自治会が開いた会合に職員3人を出席させ、この中で、「若い女性が駐車場でたたかれているのを見た」とか「このままでは女性が殺されるかもしれない」などという報告を聞いていました。
これを受けて伊予市の職員が調べたところ、逮捕された女の部屋に入居者とは別の人たちが出入りしていることが分かったため、部屋を2回訪問し、携帯電話でも連絡を取ろうとしましたが、接触できなかったということです。
その後、市の都市住宅課は自分たちの業務の管轄ではないとして、この報告を市の福祉課に引き継いだとしていますが、福祉課は「事件が起きるまで暴行などが行われていたことは把握していなかった」と話しています。

児童相談所も少女の所在把握

今回の事件を受けて松山市にある愛媛県中央児童相談所は15日夜、記者会見しました。
それによりますと、被害者の少女はおととし4月に県内の高校に通い始めてまもなく不登校の状態になり、保護者から相談を受けていたということです。
保護者からはおととし4月以降、3回にわたって相談があり、児童相談所は去年12月、逮捕された女の部屋に少女がいることを確認していたということです。
そして、ことし4月までの間に保護者が連れ戻そうと複数回、団地の部屋を訪ねましたが、少女は拒み、児童相談所としても自分の意思で居住しているとして強制的に連れ戻すことは不可能だと判断したということです。
愛媛県中央児童相談所の田坂泰範所長は「亡くなられたことに関しては、本当に断腸の思いです。具体的に児童相談所として取りえる対応があったかどうかについては、もう一度検証して、対応に万全を期していく必要があると思う」と話しています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140816/t10013847261000.html

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