島根県の隠岐諸島で、安全・安心を確保するために各種団体と協定を結ぶ自治体の動きが相次いでいる。海士町は島根総合福祉専門学校(島根県安来市) と福祉協定を結んだ。隠岐の島町は生活協同組合しまね(生協しまね、松江市)との間で防災協定を結ぶことで合意した。行政サービスの届きにくい過疎地の離 島で、官民連携により暮らしの安心を確保する。
海士町と福祉専門学校との協定は、福祉分野の人材育成で協力を深めるのが狙い。介護福祉士科の学生が海士町内の介護・福祉施設で研修を行う。学生の交通費と宿舎・食事は海士町が負担する。
さらに介護福祉士の研修に必要なスクーリング(面接授業)を海士町で実施する。今後は海士町の福祉施設で勤務することを条件にした授業料免除制度も検討す るという。海士町は学生に島の生活の良さを知ってもらうことで、不足している福祉人材の確保につながると期待している。
隠岐の島町が生協 しまねと結ぶのは「災害時支援協定」。離島が地震や豪雨災害に見舞われると、災害救援物資の調達や配送に手間取るケースが多い。大規模災害時に町からの要 請に沿って食料品や水など生活物資を町民に提供する。11日に予定していた調印式は台風で延期になったが、近く締結する。
生協しまねは2011年の東日本大震災や13年の島根県西部の大水害で災害救援に尽力した経験がある。すでに松江市や出雲市など島根県内15自治体と災害時支援協定を結んでいる。
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO75671680U4A810C1LC0000/