厚生労働省は14日、仕事と育児の両立支援に取り組む企業に対する、税制優遇措置の延長と拡充を平成27年度の税制改正要望に盛り込む方針を固め た。次世代育成支援対策推進法に基づく子育て支援企業の認定マーク「くるみん」の取得企業に対する税制優遇措置が27年3月末で切れる一方、取得企業数は 伸び悩んでいる。取得による企業のメリットを手厚くすることで、子育てと仕事を両立する環境整備を進める狙いだ。
くるみん認定企業は一定期間内に新築、増改築した建物で32%の割り増し償却が可能となり、利益が多い会社の場合は法人税が軽減されるメリットがある。
ただ、同優遇措置は今年度末で期限切れとなるため厚労省は来年度の税制改正要望で、くるみん税制の1~2年程度の延長を求める。また、割り増し償却ができる期間の延長や対象となる資産の拡大、割り増し償却率の引き上げなどの制度拡充策を導入する考えだ。
同推進法では、仕事と育児の両立に向けた行動計画の策定・実行や、男性の育休取得者が1人以上かつ女性の育休取得率が7割以上などの基準を満たした企業を「子育てサポート企業」として認定する。認定された企業は広告や商品にくるみんマークをつけることができる。
同推進法は101人以上の企業に、仕事と育児両立の行動計画策定を義務づけており、既に対象となる約7万社のうち98%が計画を策定した。だが、実 際にくるみんの認定を受けた企業は、約1900社にとどまっている。男性の育休取得が進まないことがハードルとなるほか、くるみん認定による税制優遇措置 が、企業に十分認知されていないとの指摘もある。
厚労省の担当者は「くるみん税制の拡充で仕事と育児を両立しやすい企業が増えれば、子育て世代の労働力がこれまで以上に確保できる。結果的には国の税収増にもつながる」と述べ、制度拡充を求める構えだ。
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