【ジュネーブ=石黒穣】世界保健機関(WHO)は12日、声明を出し、西アフリカで感染が拡大するエボラ出血熱の治療を巡り、試験段階の未承認薬使用が「倫理的に可能」と認める見解を公表した。
世界的な流行が警戒される中、緊急性を踏まえた判断だ。
WHOは11日、日米などの医療倫理の専門家ら12人による諮問会議を招集した。電話による協議で、現在の「特別な状況下」では、「効果や安全性が確認されていない治療法の利用も倫理的に許される」との結論に全会一致で達した。
その際、「患者の同意」「透明性の確保」を条件とし、治療を通して得られるデータの共有が責務であるとの認識でも一致した。
試験段階の治療薬は大量生産技術が確立しておらず、数量が限られる。諮問会議は、どこの国で、だれに優先的に投与するかは、今後の検討課題とした。
(2014年8月13日 読売新聞)
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