眠れない、食欲がわかない、気分が落ち込む、何をしていても楽しくない……といったことを日々感じている人は、“うつ病”の可能性があるそうです。
病院でうつ病と診断されなくても、季節の変わり目、ホルモンバランスの変化など、ちょっとしたことで、うつ傾向になってしまうことを経験された方もいらっしゃるのではないでしょうか。
とくに女性は、男性よりもうつ病になりやすいといわれていますが、うつ病になりやすい性格の傾向があるそうです。それを知っておけば、いざ大きなストレスがかかったときにどう対応するかを事前に心構えておくことができるかもしれません。
そこで今回は、中小企業診断士、社会保険労務士、職場メンタルヘルスコンサルタントの上江誠さんに、“うつ病になりやすい人の性格傾向3つ”をうかがってきました。
■1:まじめな性格
まじめで几帳面、気配りもできてルールや約束もキッチリ守るという、一見完璧にみえる性格の人はうつ病になりやすい性格の1つであると、上江さんは言います。
「このような性格の方は、人間関係や物事の秩序を重んじるので、これらのバランスが崩れたときに大きなストレスを受けてしまいます。つまり、融通が利かない、変化に弱いタイプとも言えるでしょう」
お客様対応の担当者、期限やお金の管理を担当している事務職の方などは、お客様からのクレームや自分で対応しきれない業務やトラブルが起こったときに、自分の許容量以上に抱え込んでしまう場合が少なくないので要注意とのことです。
■2:粘着気質の性格
「うつ病になりやすい性格の2つ目は、エネルギーにあふれ、集中力があり、正義感や責任感が強いという、いわゆる“優等生タイプ”の性格です。凝り性な一面もあります。
ただ、仕事では理屈や正論だけではうまくいかないこともありますよね。このような方は、強すぎる正義感や責任感が裏目となり、大きなストレスを抱えてしまうことがあります」と上江さん。
バリバリ仕事ができるタイプの方などが、昇格し管理職や職場のリーダーとなって仕事内容が変わったときに、チームの成果や部下・後輩の育成で悩み、抱え込んでしまう場合があるので気をつけた方がいいそうです。
■3:失敗の原因を他人に求める性格
「3つ目の性格としては、“新型うつ病”と言われる方にみられる性格で、“他責傾向”がありますね。つまり、”仕事でミスをしたのは、上司や先輩が適切な指導をしなかったせいだ”など失敗やミスをしても、自分の責任ではなく他人に責任を押しつけるという傾向がみられます」
「なお、医療の現場で明確に定義された言葉ではありませんが、“従来のうつ病”の方は、仕事も日常生活でも気力がわかないという症状に対し、“新型うつ病”の方は、仕事をするのは困難だけど、普段の生活では旅行や飲み会などは行くことはできるといった症状のようです」
“新型うつ病”は新入社員に多く、社会人になるまで、困難や挫折を経験したことがないため、そういったものに直面したときにうまく対応できないという、“社会的に未熟な面”を持っている方がなりやすいと言われているそうです。
以上、うつ病になりやすい人の性格傾向3つをご紹介しましたが、いかがでしたか?
実は、うつ病の原因ははっきり分かっておらず、性格だけではなく様々な原因があると考えられています。ただ、過度なストレスはうつ病につながりやすいと言われております。
大事なことは、自分の性格が今回紹介したものに当てはまるかどうかではなく、何かの出来事の際に、自分が大きなストレスを受けやすいかどうかを知っておくことでしょう。事前に知っていれば、より適切な対応も可能となるのではないでしょうか。
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