脳の健康診断が「脳ドック」で、血管の状態などが分かる。脳の動脈にできた「こぶ」は、破裂すると「くも膜下出血」を起こす。見つかった場合の対処法などを紹介する。
1.脳ドックとは
脳ドックは、脳や脳の血管などの異常を調べる健康診断で、自覚症状が現れない無症候性の異常を発見して、脳の病気の予防につなげていこうというものです。主に行われる検査は、MRA検査、MRI検査、超音波検査の3つです。
MRAは、磁気を使って脳の血管を見る検査で、未破裂脳動脈瘤[りゅう]を調べます。MRIは、脳の断面や立体的な画像を見る検査で、脳梗塞を調べます。また、首の超音波検査を行うことで、脳梗塞につながる頚動脈狭窄症[けいどうみゃくきょうさくしょう]を調べることができます。
2.脳動脈瘤が見つかったら
脳動脈瘤は、脳の大きな動脈が枝分かれする部分にできやすい“こぶ”で、脳ドックを受けた人の5%程度に見つかります。一度できたら自然に消えることはなく、大きくなるなどして破裂し、くも膜下出血に至る場合がありますが、その確率は年1%ほどなので過剰に心配する必要はありません。脳動脈瘤が見つかったら専門医を受診して、3D-CTなどによる精密検査を受けましょう。
3D-CTでは、脳動脈瘤の位置や大きさ、形、数などがわかり、破裂しやすいかどうかが判定できます。大きさが5mm以上だったり、形がいびつな場合は破裂するリスクが高いのですが、2~3mmなら破裂のリスクは低いと考えられています。ただし、家族歴や生活習慣によってはリスクが高い場合もあるので、そうしたことも考慮の上、経過観察をするか、手術を受けるかが判断されます。
経過観察中は、年に1回程度はMRAや3D-CTなどの画像検査を定期的に受けます。血圧のコントロールや禁煙も重要です。気にし過ぎないことも大切なので、不安が消えない場合はセカンドオピニオンをとるのもよいでしょう。
☆脳動脈瘤の手術については、
きょうの健康テキスト 7月号に詳しく掲載されています。
NHK「きょうの健康」2014年7月14日放送分
http://news.goo.ne.jp/article/kenkotoday/life/kenkotoday-20140714-h-001.html