アルツハイマー病の原因たんぱく質とされるベータアミロイドを減らす仕組みを、東京大と理化学研究所が見つけ、米科学アカデミー紀要に発表した。新たな治療薬の開発に役立つと期待される。
ベータアミロイドは、別のたんぱく質(APP)が酵素で切断されて生じることが知られている。治療薬の候補として、この酵素の働きを抑える物質が開発されたが、他の正常なたんぱく質も切断して症状を悪化させるなどの副作用が発覚、開発が中止された。
チームはベータアミロイドだけを減らす化合物を作り、酵素のどの部分に作用するかを解明。また、他の正 常なたんぱく質に影響せずに、APPからベータアミロイドが生成されないようにすることのできる仕組みも明らかにした。東大の富田泰輔教授(臨床薬学)は 「新しい化合物と酵素の相互作用を解明したことで、試行錯誤ではなく理にかなった新薬を開発する道が開かれるのではないか」と話す。【田中泰義】
http://mainichi.jp/shimen/news/20140731ddm013040022000c.html