コメ関連技術を健康ビジネスなどの成長市場につなげる「県新たな米産業創出技術研究会」が9日に設立される。
会員は県のほか、県農業総合研究所(長岡市)、大学、県内食品・酒メーカーなどで、今年度から3年計画で、コメの成分を生かしたダイエット食品用素材の開発など独創研究を進め、実用化をめざす。県などは人口減少や高齢化、食習慣の変化によるコメ離れに歯止めがかからない現状を打開したいと期待している。
同研究会の設立発起人は新潟大の門脇基二副学長と新潟薬科大の佐藤真治教授、県食品技術研究会の江川和徳会長、県農総研の松井基晴所長。
9日に新潟市内で設立総会が開かれ、亀田製菓や佐藤食品工業など約30社・団体が参加する見込み。県は研究会の推進費として平成26年度予算で2286万円を計上している。
研究会が注目するのが、コメに含まれ腸内に吸収・消化しにくい「難消化性でんぷん」。これを粉状にして、ダイエット食品原料として生かす研究や実験を進める。難消化性でんぷんを多く含みながら食べやすくおいしい米飯の開発も視野に入れている。
栄養補助食品や医薬品に展開する可能性も追究し、新事業を支えるコメ栽培技術も研究する。成果は企業に引き継ぐか、公募で独創的な研究課題を選んで支援する国の競争的資金制度に提案したいとしている。
すでに、亀田製菓がコメの可能性を広げる研究や事業開発を進める「新規事業グループ」を6月に設けるなど、コメの新規市場を開拓する機運が高まっている。
同社は「自社でコメから発見された乳酸菌を栄養補助食品に応用するなど力を入れてきたが、産学官の試みで新しい事業の拡大に弾みがつく」と期待している。
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