難聴や耳鳴りを伴っためまいが数十分から数時間続くメニエール病は、長期にわたってめまいを繰り返すことも多い。薬やストレス対策など、治療は早いほうが改善しやすい。
1.メニエール病の症状と原因
メニエール病は、めまいを長期にわたって繰り返す代表的な病気で、内耳の異常によって起こります。何らかの原因によって、三半規管や蝸牛[かぎゅう]を満たす内リンパ液が増えて“水ぶくれ”の状態になり、三半規管や蝸牛が圧迫されることによってめまいや難聴、耳鳴り、耳が詰まった感じ(耳閉感)などが起こります。多くはぐるぐる回るめまいが起こり、10分間ほどで治まることもあれば、半日程度続く場合もあります。めまいの頻度は、週に数回から年に数回と個人差があり、吐き気やおう吐を伴うこともあります。
原因ははっきりしていませんが、注目されているのはストレスとの関係です。メニエール病の多くは働き盛りの人に起こります。男女差はありませんが、特に、責任感が強い人、きちょうめんな人に起こりやすいといわれています。
2.メニエール病の治療の基本
メニエール病と診断された場合は、めまいを予防するための治療が中心に行われます。基本となるのが、生活習慣の改善と薬物療法です。
生活習慣の改善で大切なのは、不摂生をやめて体をいたわり、ストレスを発散することです。具体的には、過労や睡眠不足を避け、無理をしないことです。生活に軽い運動を取り入れると、心地よい眠りが得られるようになり、新陳代謝もよくなります。自分が楽しめる趣味をもつのもよいでしょう。
薬物療法は、まず急性期には強いめまいを抑えるために重曹水の点滴が行われます。吐き気を抑える制吐薬や、抗めまい薬が用いられることもあります。慢性化した場合は、内耳循環改善薬や利尿薬、抗不安薬などが用いられます。
☆手術、薬液注入法の詳細などについては、
きょうの健康テキスト 6月号に詳しく掲載されています。
NHK「きょうの健康」2014年6月4日放送分
http://news.goo.ne.jp/article/kenkotoday/life/kenkotoday-20140604-h-001.html