ぐるぐるめまいで最も多いのは良性発作性頭位めまい症。上を向くなど頭を特定の位置に動かしたときに起こるのが特徴。頭を動かす体操など、自分でできる対策を紹介。
1.ぐるぐる回るめまいの原因
ぐるぐる回るめまいの多くは内耳の病気によって起こります。内耳は耳の鼓膜の奥にある部分で、体が回転する動きを感じ取る三半規管、上下や左右の直線的な動きや重力を感じ取る耳石器、こうした情報を脳に伝える前庭神経などがあります。三半規管や耳石器、前庭神経に異常が起こると、体が回転していないのに回転しているように錯覚するため、ぐるぐる回るめまいが現れます。
内耳が原因でめまいが起こる病気は主に3つあります。頭を特定の位置に動かしたときにめまいが起こる良性発作性頭位めまい症は、三半規管の異常が原因で起こります。メニエール病は三半規管や蝸牛[かぎゅう]の異常によって起こり、疲労やストレスなどが発症のきっかけになります。前庭神経の異常で起こる前庭神経炎は、かぜを引いた後などに起こりやすいとされています。
2.良性発作性頭位めまい症
めまいを起こす病気の中で最も多いのが、良性発作性頭位めまい症です。三半規管は、耳石器と共に、リンパ液で満たされた容器の中にあり、耳石器には、耳石という非常に細かいカルシウムでできた結晶があります。その耳石がはがれて塊となって三半規管に入り、三半規管内を移動すると、中のリンパ液の流れが乱されて、ぐるぐる回るめまいが引き起こされます。耳石は頭を特定の位置に動かしたときに三半規管に移動しやすくなります。特に「頭を反らして上を向く」「あおむけの状態から起き上がる」などでめまいが起きやすくなります。
良性発作性頭位めまい症では、頭を動かす体操をしたり、寝る姿勢を工夫してめまいが起こる頭の位置を避けることで、症状を和らげることができます。ふだんから、めまいの起こる位置に頭を動かさないことも大切です。
●頭を動かす体操 ※ 1日数回行う
1.あおむけに寝て、頭部を右に向け10秒間保つ
2.次に、左に向けて10秒間保つ
3.これを左右交互に10回程度行う
☆医療機関での治療や薬については、
きょうの健康テキスト 6月号に詳しく掲載されています。
NHK「きょうの健康」2014年6月3日放送分
http://news.goo.ne.jp/article/kenkotoday/life/kenkotoday-20140603-h-001.html