[ カテゴリー:医療 ]

女性は要注意!くも膜下出血

脳の動脈に出来るコブが破裂することで起きる「くも膜下出血」。
あふれ出た血液が脳を圧迫し、大きなダメージを与えるため、年間3万人を超える発症者のうち、3割が死に至るという恐ろしい病気です。
男性の高齢者が発症しそうなイメージがありますが、要注意なのは実は女性!女性の発症率は男性の2倍以上で、特に40代からは発症率が急増するんです。
番組では、「くも膜下出血」からどう身を守るか、医療の最先端をご紹介しました。
まずお伝えしたのが、くも膜下出血を未然に防ぐ方法。原因となる「脳動脈瘤(りゅう)」を見つける「脳ドック」や、ここ数年で普及してきた、頭を切開することなく動脈瘤の破裂を防ぐ血管内治療法。そして、手術をより安全に行うために、開発がすすめられている3Dシミュレーションもご紹介しました。
そして今、「脳動脈瘤」が見つかったことで生じる「患者の心のケア」問題についても取り上げました。いつ破裂するか分からない脳動脈瘤が、思いがけず見つかったために精神的に追い詰められてしまうケースが多発しているのです。
突然襲われるかもしれない“くも膜下出血”への備えについて、お伝えしました。

■くも膜下出血の初期症状
くも膜下出血の初期症状である激しい頭痛。いきなりバットで殴られたなどと表現される、この病気特有の「警告頭痛」や「雷鳴頭痛」について詳しくお伝えしました。

くも膜下出血に伴う頭痛は、突然発生し、その瞬間に痛みの頂点に達することが特徴です。
ズキズキと断続的に痛む「片頭痛」や、ストレス性の緊張性頭痛とは異なります。
突然の激しい頭痛が生じた場合は、一刻も早く医療機関を受診することをお勧めします。

■くも膜下出血を予防する
(1)脳ドックでMRI検査を受診
くも膜下出血の原因は9割以上が脳動脈に出来たこぶ、脳動脈瘤の破裂によるものです。
くも膜下出血を予防するためには、脳動脈瘤を発見し、治療をすることが有効です。
脳ドックなどのMRI検査を行うと、1ミリからの脳動脈瘤を発見することができます。
費用は、医療機関によって異なりますが、3万円程度です。

<取材協力>
「東京北部病院」

【くも膜下出血の危険因子】
・感染症
・祖父母、両親、きょうだいに患者がいる
・喫煙
・高血圧
・大量の飲酒

(2)脳動脈瘤が見つかった場合
経過を観察するか、手術をするか 医師と相談の上、患者自身が選択することになります。
そのときに判断基準になるのは、大きさや形、発生した部位などです。

おととし日本脳神経外科学会では、脳動脈瘤の大きさと年間の破裂率について報告されました。
そこでは動脈瘤が大きくなるにつれて破裂率が高くなることが明らかになりました。

【1年以内の破裂率】
脳動脈瘤の大きさ・破裂率
3.0~4.4ミリ・・・0.36%
4.5~6.4ミリ・・・0.50%
6.5~9.4ミリ・・・1.69%
9.5~24.4ミリ・・・4.37%
24.5ミリ以上・・・33.4%

出典:The UCAS Japan Investigators
N Engl J Med 2012:360:2474

(3)予防のための手術
手術には、おもに「開頭クリッピング術」と「コイル塞栓(そくせん)術」があり、大きさや形、発生した部位などから判断して、どちらか選ぶことになります。

【未破裂脳動脈瘤の手術】
開頭クリッピング術
手術時間・・・3~5時間
入院日数・・・12日程度
合併症のリスク・・・約5%
再手術の可能性・・・1~2%

コイル塞栓術
手術時間・・・2~3時間
入院日数・・・7~9日程度
合併症のリスク・・・約5%
再手術の可能性・・・5~6%

(4)動脈瘤を発見して“うつ状態”にならないために
脳ドックの受診や、そのほかの理由で、偶然、脳動脈瘤が見つかり、経過観察か手術かの選択をいきなり迫られたことで、その後の生活に支障が出る患者の存在が報告されています。

森田先生によれば、脳ドックを受診する前の心構えとして
(1)隠れた病気が見つかることを理解しておく
(2)検査後の方針を、家族と話しておく

また、脳動脈瘤が見つかったときには
(1)1人で抱え込まない
(2)病気について詳しく知る
(3)セカンドオピニオンを受ける

を勧めています。
※セカンドオピニオンは自費診療のため、保険が適用されません。

■くも膜下出血を予防のための研究
東京慈恵会医科大学と東京理科大学が研究を進めている、「数値流体力学を用いた脳動脈瘤解析」を紹介しました。患者のMR画像から、脳動脈瘤のなかの血液の流れを計算し、動脈瘤の壁にかかる圧力を見極めようとしています。東京慈恵会医科大学脳神経学科では、圧力が強くかかっている箇所に、破裂の危険性があると考え、きわめて困難な手術の前に、シミュレーションを行っています。

番組およびこのページは特定の製品・店舗を推奨するものではありません。
製品・サービスの特性や使用上の制限、契約内容・条件などについては、各自におかれまして、メーカーや販売会社に十分ご確認ください。

NHK「あさイチ」2014年5月14日放送分

http://news.goo.ne.jp/article/asaichi/life/asaichi-20140514-a-001.html

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