狭心症では、カテーテル治療やバイパス手術で状態が改善しても、再発することが珍しくない。再発の予防に欠かせない「心臓リハビリテーション」の効果とポイントを紹介する。
1.再発を防ぐ 心臓リハビリ
狭心症でカテーテル治療やバイパス手術を受けても、治療前と同様の生活を続けていれば、狭心症が再発したり心筋梗塞が起きたりする可能性があります。再発を防ぐために行われるのが、心臓リハビリテーションです。病気とのつきあい方を学びながら、運動療法を中心とした総合的な治療が行われます。
心臓リハビリテーションには、「セルフモニタリング(自己観察)」「運動療法」「食事療法」「薬の適切な使用」という4本の柱があり、患者さん一人一人に合わせて内容が決められます。こうした心臓リハビリを行うと、冠動脈に狭さくした部分があっても“自然のバイパス”が育ったり、動脈硬化を改善する効果もあるといわれています。また、危険因子となる「脂質異常症」「糖尿病」「高血圧」「肥満」などの生活習慣病も改善することができます。さらに、心臓の病気による不安を軽減し、以前の生活を取り戻すという目的もあります。
2.運動療法
運動療法を行うときには、体力や行える運動の限界を明らかにするために、まず「運動負荷試験」や「心肺運動負荷試験」といった検査を行います。この結果を元に、その人に適した運動処方がつくられ、どのような強度の運動をどのくらい行うのかが指示されます。運動はウオーキングや自転車こぎなどの有酸素運動が基本で、強度の目安は目標心拍数で表されます。通院での心臓リハビリ終了後は、自分で運動を続けましょう。1日に30分間を2回、週に3日以上、可能であれば毎日行うことが理想です。安全に行うためには医師からの注意を守り、“ややきつい”と感じる程度を目安に行うことが大切です。
NHK「きょうの健康」2014年4月16日放送分
http://news.goo.ne.jp/article/kenkotoday/life/kenkotoday-20140416-h-001.html