JR東日本新潟支社は、酒をコンセプトにした観光列車「越乃Shu*Kura(コシノシュクラ)」の運行を2日から開始する。車内で日本酒が試飲できたり、ジャズなど音楽の生演奏があったりと、新潟の地酒を楽しめる列車に仕上がった。
「シュクラ」は主に信越線高田駅(上越市)-飯山線十日町駅(十日町市)間を、6月末まで金土日と祝日を中心に1日1往復する。
3両編成の快速列車で定員70人の全車指定席。外観は、青みを帯びた黒(藍下黒)と白を組み合わせた伝統色で新潟の風土を表現した。足下近くまで広がる大きな窓からは新潟の山や海が一望できる。
最大の目玉が無料試飲だ。沿線約20の蔵元が日替わりでイベントを開き、地酒をアピールする。「のみくらべクーポン」(500円または1千円)を購入すれば、5銘柄の利き酒を楽しめる。2号車のイベントスペースではジャズなどの生演奏もある。
約2時間半のコース中、日本海に一番近い駅といわれる青海川駅(柏崎市)では約27分(復路)の停車時間を設けた。
4月28日の報道陣向け試乗会に参加した朝日酒造(長岡市)の川嶋勉カスタマーコミュニケーション課長は「列車をきっかけに新潟の魅力を知って、リピーターになって酒と地元産食材を一緒に味わってほしい」と期待した。
JR東は平成27年春の北陸新幹線開業を見据え、今回の企画を関西からの誘客につながる観光周遊ルートとして位置づけている。北陸新幹線上越妙高駅(上越市)からシュクラに乗って十日町駅や越後湯沢駅に行くなど、周遊ルート開発の可能性を探る方針だ。
関森多市郎支社長は「上越と北陸という2つの新幹線の運行をにらんだ観光周遊ルートの構築が課題。コシノシュクラはその一翼を担えるよう育てたい」と強調した。
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