■朝起きてから午前中までの眠気対策
必要十分な睡眠がとれていれば、目覚まし時計をかけなくても自然に目が覚め、気持ちよく起きられるはずです。しかし、多くの人は目覚ましのアラームで、イヤイヤ起きるのが普通でしょう。これは睡眠が足りていないか、深い睡眠の時に目覚めさせられたからです。
目覚めた直後の眠気対策には二度寝がおすすめです。起床前後にたくさん作られる抗ストレスホルモンのコルチゾールを浴びて、ストレスに満ちた世間に出る準備ができます。ただし、二度寝は10~15分の一度だけにしておきましょう。それ以上になるようなら、始めから目覚ましアラームの設定時刻を遅くして、夜の睡眠をしっかりとりましょう。
通勤や通学で電車やバスで揺られると、眠くなることがあります。睡眠不足のときだけでなく、朝活などで早起きして時間がたったときにも眠気が生じます。眠気に身をゆだねるなら、車内で仮眠をとりましょう。午前中の仮眠は、前の夜の睡眠不足を補う効果があります。眠るのがイヤなら、スマートフォンやタブレット端末などを使うと良いでしょう。画面の光が眠気を和らげてくれます。
生体リズムからいうと、午前はもっとも眠気が少ない時間帯の1つです。しかし、睡眠不足がたまっていると、ついウトウトしてしまいます。仕事中なら、同僚や上司と話をしたり営業に出たりすると、目が覚めてきます。学校なら、授業で積極的に発言したり、休み時間に外へ出て明るい光を浴びると良いでしょう。
■昼食後から午後にかけての眠気対策
昼ご飯をとった後に眠くなる人が多くいます。生体リズムの関係で、午後2時~4時には眠気のピークが来ます。これは、昼食を抜いたときでも現れます。
この眠気に従うなら、短時間の仮眠が有効です。午後2時~4時のピーク時に眠らなくても、ランチタイムに20分ほど眠ると、眠気を先取りしてすっきりした頭で午後を乗り切れます。
眠気と闘うなら、2時~3時ごろにコーヒーブレイクを取りましょう。おやつを食べて脳の栄養源であるブドウ糖を補給し、コーヒーやお茶でカフェインをとり、楽しくおしゃべりして眠気を吹き飛ばしましょう。
私たちの体温は、1日のうちで1~1.5度ほど上下します。夕方から夜にかけては、体温が最も高くなる時間帯です。体温が高いと眠りにくいため、この時間帯は「睡眠禁止帯」とも呼ばれています。
しかし、夕方になると眠くなるという人も多いはず。その原因の一つは睡眠不足ですが、夜型のパターンが強い人は体温のリズムが遅い時間にずれているため、本来は午後2時~4時にピークになる眠気が夕方以降に現れることもあります。
午後3時以降の仮眠は夜の睡眠に悪影響を与えるため、一般的にはお勧めできません。しかし、眠気がとても強いときには、20分程度の仮眠をとってもよいでしょう。できれば、先に述べたランチタイムの昼寝をとって、夕方の眠気が出ないようにしましょう。夜型で睡眠不足がたまっている人は、生活パターンを変える努力も必要です。
■夕食をとったあとの眠気対策
お腹がふくれると満腹ホルモンと言われるレプチンが分泌されます。レプチンは眠気を誘いますが、ここで眠ってはいけません。昔から「食べてすぐ寝ると牛になる」と言われてきました。本当に牛になることはありませんが、満腹の状態で眠ると睡眠の質が悪くなります。胃腸が活発に動いている間は深く眠れないからです。
夕ご飯を食べたら、歯を磨いたり食器を洗ったり、お風呂の準備をしたりして、こまめに体を動かしましょう。若い人で夕食から寝床に入るまでが3~4時間あるのなら、カフェインをとっても良いでしょう。ただボ~っとテレビを見ていると、睡魔が襲ってきますよ。
つい夕食後に眠ってしまい、3~4時間したら目を覚まして困る人もいるでしょう。そんなときには「分割睡眠」がおススメです。初めの睡眠から目覚めたら、趣味や勉強などあまり興奮しない活動を行い、再び眠くなったら2度目の睡眠に入ります。分割睡眠は昔からあった睡眠法で、タレントの黒柳徹子さんも実践しているようです。
文・坪田 聡(All About 睡眠)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140419-00000001-nallabout-hlth