日本人の生活になくてはならない存在の緑茶。わが国の文化、おもてなし、コミュニケーションのシンボルでもある“国民飲料”だが、今やペットボトルで飲むものだと思っている人も多いのでは。和食がユネスコの無形文化遺産になったのを機に、急須でいれたお茶をじっくり味わいたい。
われわれがどれだけ緑茶を飲んでいるか。実に週に1回以上飲んでいる人が約80%に及んだことが静岡県立大学茶学総合講座岩崎研究室の調査(2月6~10日、20~60代の男女1000人対象にWEBアンケート方式)で分かった。
また、「急須でいれた緑茶が好きか」の質問に対して、全体の88.7%が「とても好き」または「好き」と回答。改めて緑茶人気を裏付ける結果となった。
同大経営情報学部の岩崎邦彦教授は「緑茶は健康によい機能性飲料であり、心にゆとりと、やすらぎをもたらしてくれる情緒性飲料でもあります」と説明する。
緑茶に含まれるカテキンには体脂肪の低下作用や、がんの予防作用や抗酸化作用があるとされ、最近では健康飲料としても注目を浴びる。
若年層には急須を持っていない人も多いというが、岩崎教授は「急須の緑茶の魅力を伝えることができれば、まだまだ需要は伸びるはず」とペットボトルで飲むことに慣れた人々へは改めてアピールポイントになるとの見方を示した。
緑茶は、欧米を中心に外国にも普及し始めており、「日本食はもちろん、フレンチやスイーツとのコラボも注目されています」と岩崎教授。さらに和食に続き、緑茶も「無形文化遺産」に登録されるべきだと答えた人が43.8%にも上った。
日本発の緑茶がコーヒーや紅茶のように、世界のスタンダードになる日もやってくるかもしれない。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140314-00000520-san-hlth