妊娠、出産に関しての情報は、巷にたくさん溢れています。その中でも、これだけ研究が進んだ現在でも分からないこと、不思議なことがたくさんあります。
性については、誤解や信憑性のない内容の話もたくさんありますが、ここでは、「生殖」、つまり妊娠と出産の仕組みについて考えてみましょう。
強いストレスや、胃腸薬や抗神経薬の常用により、脳からのFSH(卵胞刺激ホルモン)の分泌が上手くできなくなることがあります。すると、卵巣内では卵子が上手く成長しません。
しかし少しは成熟しようとしているため、子宮へも少しだけ働きかけることで、子宮内膜が少しだけ厚くなります。一定期間が過ぎるやはり不要であったと判断し、体の外へ出そうとします。
これが見た目上の生理ともいえる「無排卵性月経」です。実際は排卵していないので、妊娠はしないというわけです。
男性の平熱は1つしかありませんが、女性の平熱は2つあります。
性成熟期にある女性で、ホルモンバランスが良く、毎月きちんと生理が来ている人は、高温期と低温期があります。これは女性ホルモンに影響されています。
女性の身体の中では、およそ1ヶ月を1つの単位として、FSH、エストロゲン、プロゲステロンなどのホルモン量が変化します。この変化は体温中枢に影響し、ほんの少し(0.5℃程度)ですが体温を変動させます。排卵直後から体温は上昇し高温期となります。
およそ2週間程度でホルモンのバランスが変わり、体温が下がり生理が始まります。ここから次の排卵までのおよそ2週間を低温期といいます。
女性らしさを作っているのは、女性ホルモンです。思春期を迎えた女の子が女性らしくなるのも、女性ホルモンの分泌が増えるためです。
一方で、産後はエストロゲンの量が一時的に減少するため、女性らしく豊かな髪を維持する力が衰え、かなり脱毛する場合があります。これもエストロゲンなどのバランスが戻り始める、産後6カ月頃には、元に戻ります。
また、女性特有の病気である子宮がんや子宮内膜症、乳がんなども、女性ホルモンの影響を強く受けていることが分かっています。
タイミングが合えば、妊婦健診の際に赤ちゃんがあくびをするところや、腕や足を延ばす様子を見ることが出来ます。
しかし時々、胎動を感じないこともあります。常に目を閉じているように思いますが、実は動いている時の赤ちゃんは覚醒して(起きて)いて、動かない時は眠っているのです。
とても長い時間動かないままだと心配になりますが、他に気になることがなければ、たまには眠らせてあげてくださいね。
昔と比べて、現在では出産に対する医療が整ってきているといえるでしょう。
しかし、出産直後に命を落とすこともゼロではないのです。2011年の統計では、全国で40名以上の方が出産に伴い命を落としています。多くの場合は出産に伴う大量出血です。子宮収縮剤の使用などにより子宮に無理な力がかかって破裂する(子宮破裂)、あるいは分娩後に子宮がしっかり収縮しないと弛緩出血を起こします。これらが原因でおこる大量出血は、命を危険にさらします。
妊婦さんやご家族は事の重大さに気付いていないこともありますが、出産は現在でも命がけ、100%安全な出産はないのです。