■“ゆる”ダイエットは結果も“ゆるい”
近頃流行りのダイエットは“ゆるい”がキーワードです。骨盤枕、ロングブレス、ラジオ体操の3つもそうですが、ストイックな運動とは違い、誰でもすぐに始められて続けやすいことが共通しています。
それぞれの特徴を見ていきましょう。まず骨盤枕ダイエットは、腰の下に直径8~9センチの枕を入れて手足を伸ばして寝るとウエストが細くなる、というもの。これは姿勢の悪い人に効果があると思います。ただし姿勢はクセなので、骨盤枕で矯正しても、腹筋がないとすぐにもとに戻ってしまいます。腹筋を並行して行うといいですね。
ロングブレスの基本は、3秒でゆっくり息を吸い、3秒で一気にはく。そこから4秒間、吐き続けた状況で下腹部に力を入れたままキープするというものです。これも、使っている筋肉を意識できているかどうかがカギとなります。おへその下に意識を集中してしっかり呼吸する。やってみると意外に苦しいことがわかりますよ。朝晩行えば、かなりお腹はへこんでくると思いますし、ウオーキングを加えてこまめに回数をこなせば結果は出ると思います。
ラジオ体操は、とてもよくできたエクササイズです。自己流ではなく、正しい動きで行ってください。意外に思い込みで間違った動きをしていたりしますから。使う筋肉を意識すると効果はより上がります。
しかし、残念ながらどれもすぐ効果が表れるものではありません。今回、編集部のSさんが1週間ずつ実験した結果の数値(表参照)を見てもおわかりのように、体重がガクッと落ちるようなものではないのです。
でも、ダイエットのために体を動かすことは非常に健康的。みなさん、すぐに体重での結果を求めますが、見るべきは体重ではなく体形です。体重が減っても不健康でブヨブヨでは仕方ないでしょう。理想のペースとしては1カ月に1キロ落とす。少ないと思われるでしょうが、これくらいが丁度いいのです。
どんなダイエットでも食事制限×運動が基本。どちらかがゼロでは、効果はないのです。夜の食事は軽く、寝る3時間前までには食事を済ませるよう心がけてください。アルコール、間食も控えましょう。低カロリーのアルコールでも、体はアルコールを“毒物”とみなしてそれを排除することを優先します。そうなると筋肉をつけたり脂肪を燃焼させることが後回しにされるのです。
運動については実践する時間帯も意識しましょう。お勧めは朝です。朝のうちに代謝を上げると5~6時間代謝がいい状態をキープできるので、効果が上がります。寝る前に激しい運動をすると寝つきが悪くなるのですが、今回の3つのダイエット法であればそう激しくないので寝る前に行っても大丈夫でしょう。あとはできるだけ歩くことを心がけて。通勤時に階段を使うのも効果的です。
どのダイエットが効果的か、それは個々に違います。しかし、一番大事なのは継続すること。ライフスタイルに取り入れることを考えて、自分の得意なものを中心にしたらいいと思います。例えば運動は得意だけれど食事を減らすのが苦手なら、運動の強度を上げて食事制限は夜の炭水化物を控えるだけにする。逆に運動が苦手なら食事を控えて運動は軽くしてもいいでしょう。
これらのダイエット法は、いずれも運動不足だったり不規則な生活を送っている初心者向け。これで痩せなかった場合は、もう少し運動量を増やすか食事制限をする必要があります。朝ごはんをグリーンスムージー1杯にしてみる、夜は炭水化物を抜くなどしてみてください。
ただ、ダイエットにつらい我慢はNGです。無理はせず、まずは1カ月、1年で目標を達成するくらいの気持ちで臨みましょう。
———-
ダイエットエキスパート 和田清香
250種類以上のダイエット法を体験して得た知識と分析力を生かして、信頼できるダイエット法、ボディケア情報を提供している。自身も15kgの減量に成功した経験あり。
http://news.goo.ne.jp/article/president/life/medical/president_11843.html