農林水産物の生産から加工や流通・販売まで一貫して行う「6次産業化」をめぐる動きが活発化してきた。県と県農林公社(新潟市中央区)内の「県6次産業化サポートセンター」は、県内の農林水産業者と、スーパーや百貨店などの商工業者が情報交換する初の異業種交流会を開催。商機と収入源の多様化につなげたい考えだ。
1月23日に新潟市内のホテルで開かれた「6次産業化カフェインにいがた」には、国の6次産業化法に基づく認定を受けた9社・店舗と認定を目指す2事業者が参加。ワサビやニンニクなどの農林水産物を生かした加工食品を販路拡大やコラボ商品開発につなげようと、新潟三越伊勢丹、清水フードセンターを運営する清水商事(新潟市中央区)など12の商工業者に直接アピールした。
三条市で手作り笹だんごの店「ふーど工房ゆうこ」を営む五十嵐祐子さん(55)は、オリジナル笹だんごを提案した。同市産もち米に自家栽培の「ごんぼっぱ」(オヤマボクチの葉)を練り込んだ生地の中に、地元産のサツマイモあんや甘みそなどを入れた団子を笹で巻いた。
五十嵐さんは平成22年に加工と直売を始め、23年10月に6次産業化法認定業者となった。24年12月には工房とカフェスペースが付く広さ77平方メートルの新店舗を開店、26年は年間販売約9万個を見込む。
清水商事の中島信人執行役員は「6次産業認定業者は笹だんごの寸法を工夫するなど、われわれが気付かない新しい視点を持つ。それを生かせば自社の差別化や新商品企画のスピードアップにつながる」と話す。県によると、22年2月時点の県内農家は6万8245戸。うち農産物加工まで行うのは1・4%(973戸)と全国平均の2%を下回っており、商工業者を巻き込み6次産業の成功例を増やし、新たな担い手の発掘・育成につなげるのが課題となっている。
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