私たちの生活リズムを大きく左右するのが睡眠です。しかし、現代人の生活は忙しく、睡眠を満足にとるのは難しいもの。
「できれば睡眠は通常6~8時間とるのが理想的です。しかし、睡眠不足が重なり借金のように積み重なると“睡眠負債”の状態に。もし起きたとき、疲れを感じていたり、休日寝過ぎてしまったりする傾向があるなら、生活のリズムを乱す“睡眠負債”を疑いましょう」(日本睡眠科学研究所所長・中村勤さん)
しかも、この睡眠負債の状態が続くとダイエットに悪影響が!
「寝ている間は筋肉がゆるみ、その間に血液が全身を巡ります。しかしその時間が短いと体が休まず、筋肉も緊張したまま。全身に酸素をふくんだ血液がよく行き渡らず、冷えや代謝低下もつながることも。また、体の機能が十分に回復されないため運動機能も衰え、筋肉を使わなければ、消費カロリーも減ってしまいます。太り体質から脱却するには、睡眠をきちんととることから始めてみてください」」(快眠セラピスト・三橋美穂さん)
睡眠とダイエットには深~い関係があるよう。美と睡眠の関係を数字で見れば、快眠習慣へのモチベもアップ!
【6~8時間程度の睡眠が美を育てる!】
睡眠は何時間とれば理想的?
「私は3時間で十分、という人もいますが、健康と美容のことを考えたら最低でも6時間はとるようにしましょう。もし休日と平日の睡眠時間の差が2時間以上あったら、それは睡眠が足りていない証拠。睡眠時間を増やすよう、生活を見直してください」(三橋さん)。
もし睡眠不足を感じたら、昼寝もおすすめ。
「ただし、昼寝は20分程度にしましょう。それ以上寝ると深い眠りに入り、夜の睡眠に悪影響を及ぼします。机に伏せる程度に仮眠するといいでしょう」(中村さん)
【起床後1~2時間以内に食事をすると体内時計が正常に!】
“なかなか朝、起きられない”“夜になっても寝つけない”などの悩みがある人は、体内時計が乱れている可能性が。
「1日は24時間ですが、人間の体内時計は25時間周期です。このズレを正すには、朝日を5~15分浴び、そのあと1~2時間以内に食事をとること。体内時計は体の中にいくつもありますが、メインとなるマスタークロックは、脳の中の視し交こう叉さ上じょう核かくという部分に存在しています。朝食をとると末端細胞の時計遺伝子が、このマスタークロックに同調。体内時計のズレがリセットされ、ホルモンの働きなどが整います」(三橋さん)
【夜型の人は体重50kgの人で約16kcal消費カロリーダウン!】
同じ食事をとっていても朝型と夜型では、食後の発熱量に差が出るという報告があります。
「朝7時から6時間おきに“朝型”で3回食事をとった場合と、昼13時から6時間おきに“夜型”で3回食事をとった場合とでは、消費カロリーに約16kcalの違いが出たそうです。また、夜は副交感神経が優位に働くので体はため込みモード。ですから、ダイエットのためには早起きして朝からしっかり食事をとるような生活を心がけましょう」(三橋さん)
【シャワーより10分のお風呂が入眠をスムーズにする!】
夏はシャワーですませがち。でもスムーズな睡眠とダイエットを考えるなら、夏でもバスタブに!
「ぬるめのお湯に入ってひたいにうっすら汗をかくぐらいに体温を上げることで、細胞が活性化。代謝アップにもつながります。お風呂で体温をグッとあげると、そのあと急激に体温が下がり始め、それと同時に眠気が訪れます。リラックス効果の高い香りの入浴剤を入れるなどして、夏でもお風呂を楽しんで」(三橋さん)
【睡眠不足だと炭水化物欲求が33~45%UP!】
睡眠不足になると甘いものばかり食べたくなることはありませんか? これも食欲を増進するホルモン“グレリン”と関係があるよう。
「9時間睡眠の人と4時間睡眠の人を比べたところ、睡眠が短かったグループのほうが“グレリン”の濃度が上がり、さらに甘い物や炭水化物の食欲が33~45%増加したという結果が。睡眠不足から高カロリー・高炭水化物を多くとる生活を続ければ、当然体重増加にもつながります」(三橋さん)
監修/三橋美穂、中村勤、取材・文/平川恵
http://netallica.yahoo.co.jp/news/20140130-00010000-fytteweb