片側のまひ、顔がゆがむ、ろれつが回らない、言葉が出にくいなどの異常が突然現れたら脳梗塞が疑われる。ただちに救急車を呼ぼう。脳梗塞では意識を失わないことが多い。
1.覚えておきたい脳梗塞の症状
脳梗塞が起こると、体の左右どちらか片側に突然症状が現れます。特に多いのが「体の片側の腕や脚がまひする」「顔がゆがむ」「ろれつが回らないなどの言語の障害」の3つです。体の片側のまひの場合は、手のひらを上に向けて両腕を前に伸ばすと、まひのある側が下がってきます。脚の場合は片足ずつでふらつかずに立てるかどうかを見ます。顔のゆがみは、症状が強ければ外見で判断できます。わかりにくい場合は、にっこり笑ったり「いー」と発音したときに左右どちらかの口角が垂れ下がったり動きが悪ければ、顔にゆがみがあると判断します。言語の障害がある場合は、「らりるれろ」や「パタカ、パタカ...」と反復して言ってみたときに、言いにくかったりもつれたりします。また、言いたいことを言葉にできなかったり、話のつじつまが合わなくなることもあります。そのほか、視野の異常、ふらつきのような症状が現れることもあります。
2.もし症状に気付いたら
脳梗塞の急性期治療は時間との戦いといわれています。疑われる症状が1つでもあれば、最初は症状が軽くても迷わずに救急車を呼んで、脳卒中の専門医がいる医療機関に搬送してもらうことが最も重要です。救急車を待つ間は、患者さんを処置しやすい安全な場所に移し、衣服をゆるめて気道を確保します。吐き気がある場合は、まひのある側を上にして横向きに寝かせましょう。
症状が数分ほどで治まることもありますが、その直後に本格的な脳梗塞を発症することが非常に多いため、軽視するのは禁物です。短時間で治まった場合でも、すぐに専門の医療機関で適切な診断と治療を受けてください。
3.血管が詰まる脳梗塞
脳梗塞は脳卒中の1つで、脳の血管が詰まってその先の血流が途絶える病気です。血液が流れなくなると脳細胞が死んでしまうため、手足のまひや言語の障害といった症状が起こり、命に関わる場合もあります。
代表的な原因は動脈硬化で、進行すると血管の壁にプラークというふくらみができて血流を妨げたり、血栓ができて血管を詰まらせます。
NHK「きょうの健康」2014年1月6日放送分
http://news.goo.ne.jp/article/kenkotoday/life/medical/kenkotoday-20140106-h-001.html