カロリーや糖分控え目のダイエット〇〇という名の炭酸飲料が、ダイエットの役に立たないどころか、かえって余計なカロリー摂取につながる危険があると判明した。太り過ぎや肥満の人を対象にした調査で、ダイエット飲料を選ぶ人ほど、食事やおやつでより多くのカロリーを摂取している事実が明らかになった。
調査を指揮した米ジョンズ・ホプキンス大学のSara Bleich准教授によれば「ダイエットソーダを飲んでいる肥満及び太り過ぎの成人は、通常の糖分を含む飲料を摂取している同様の成人と比べ、総カロリー摂取量は変わらない。むしろ食事やおやつといった固形食の摂取カロリーはずっと多い」という。
今回の調査は米国に住む24,000人を対象にしたもので、20歳以上の成人に関する1999~2010年の国民健康栄養調査のデータを元にしている。その結果、太り過ぎ及び肥満の人の1日あたりの摂取カロリーはほぼ同じだが、ダイエット炭酸飲料を摂取している人は食べ物での摂取カロリーが多いことがわかった。ダイエット飲料を選択している太り過ぎの人については、食べ物での摂取カロリーは1日1,965カロリー。一方同じ体重のグループの人で、普通の炭酸飲料を摂取している人の食べ物の摂取カロリーは1日1,874カロリーだった。
また肥満の人の1日あたりの食べ物の摂取カロリーを比較したところ、ダイエットソーダ愛飲家は2,058カロリーだったのに対し、普通のソーダを飲んでいる人は1,879カロリーだったという。カロリーや糖分の少ないダイエット飲料を飲んでいると安心してついつい食べ過ぎてしまう…そんな気持ちは理解できるが、それでは意味がないのは言わずもがな。「ダイエット飲料に変えるのであれば、おやつも減らすなど食生活の他の部分を見直す必要がある」と准教授らも述べている。
確かな因果関係は不明としながらも、ダイエット炭酸飲料は人々の新陳代謝や食欲に影響を及ぼし、より多くのカロリー摂取につながっている可能性もあるというから注意が必要だろう。