お金の使い方を変えて幸せになる
NHKのEテレで『幸福学 白熱教室』が放送されていますが、第1回「お金はあなたを幸せにしますか?」というテーマで、カナダ・ブリティッシュ・コロンビア大学のエリザベス・ダン博士が幸福とお金の関係について講義をしていました。
ダン教授は「ある程度以上のお金を持っていても、幸福にはならない」と言います。稼げば稼ぐほどハッピーになれるのは世帯年収が7万5000ドルまでというプリンストン大学の調査もあります。番組を見ていて、幸せになる秘訣は「いくら稼ぐか」ではなく、「お金をどうやって使うか」にあると思いました。
ダン教授によると、幸せになるお金の使い方は3つあり、それは「経験を買う」「ご褒美化」「他者への投資」なのだそう。この連載『もっとお金が貯まる、「四分法」とは?』でも「貯蓄」「消費」「寄付(布施)」「投資」が大切とお伝えしましたが、「投資」の自己投資によって「経験を買う」、「消費」を見直すことにより「ご褒美化」する、「寄付(布施)」をすることで「他者への投資」ができるのではないかと思いました。私なりの解釈で幸せになれる3つのお金の使い方をご紹介したいと思います。
1. 経験を買う
番組によると、人は物質的な買い物をするよりも経験を買うほうが幸せになれるのだそうです。たしかに、買い物については「この洋服要らなかったのに、お金がもったいなかった」などの後悔が残ることが多いですね。しかし、旅行やボランティアに行った経験はたいていの場合かけがえのない思い出として記憶にとどまっているものです。幸せになるためには、同じ1万円の使い道でも、物質的な「消費」は控え、経験に「投資」できるようにするとよいでしょう。
2. ご褒美化
この連載『ストレス発散の衝動買いを減らすには』のなかで、心地の良い経験もそれが続けば「快楽順応」のせいで人は慣れてしまい、幸福感が弱まってしまうとお伝えしました。月に1~2回エステや外食に行くのはイベント感があってとても楽しいですが、毎日続くときついものです。実際に私も体調不良で自炊ができなくなり外食が続いた期間があったのですが、外食が嫌になってしまいました。これではせっかくお金を使っているのにもったいないですね。そうしたことを避けるためにも「ご褒美化」が役に立つのだそうです。節約のためにも、幸福のためにも、エステや外食などのエステは間隔を置いて特別のご褒美として楽しむことがよいのです。
3. 他者への投資
誰もが本能的に他者に尽くしたいという気持ちを持っているものです。お正月に幼い親戚の子供に対してお年玉をあげる瞬間にも喜びを感じますよね。番組のなかでは赤ちゃんですらお菓子を分け与える時に表情が柔らかくなるというシーンが紹介されていました。たしかに、幼い子供もこちらに対する感謝の気持ちから自分が大切なおもちゃやお菓子を差し出してくれる時があります。この連載の『Tポイントも「ふるさと納税」に寄付できる』でご紹介したように、寄付や施しで一番恩恵を受けるのは実は自分なのです。「もし宝くじに当たったら世の中に役に立つ施設を作りたい」「お菓子をもらったらみんなで分けよう」そんな施しの気持ちを心に持っているほうがお金で心が荒まなくなるはずです。
いかがでしょうか。誰もが幸せになりたいと願っていますが、実は収入を上げなくてもお金の使い道さえ変えていけば、今すぐにでも幸福で満たされるようになるのです。新年、この機会にお金の使い方を見直していきませんか。
http://wol.nikkeibp.co.jp/article/column/20140118/171341/?ref=top-shin
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