若者を中心にユーザーが急増する一方で、出会い系サイトのような使い方でトラブルも懸念される無料通信アプリ「LINE(ライン)」。「使い方を守ればラインは非常に便利なツール」と話すITジャーナリストの三上洋氏に、どのような点に気を付ければいいのか、「ライン防衛術」を教示してもらった。(本間英士)
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「ラインは現実社会での家族や友人知人と連絡を取り合うためのツール。知らない人や、ネット上で知り合った人とやりとりをすることを想定していない」。三上氏はライン使用の“大前提”についてこう語る。
使い始める際、三上氏が「最初に気を付けるべき点」と指摘するのは、「友だち自動追加」の機能をオフに設定することだ。オンにしたままだと、スマートフォンの電話帳の番号が自動的に「友だち」として追加されてしまう。
この機能は便利ではあるが、スマホには友人だけでなく、仕事関係やラインでつながりたくない人々の番号も入っていることがある。また、知人の古い番号が残っている場合、番号が既に他の人に割り当てられていると、知らない人と「友だち」になってしまう。「友だちの追加は後でもできる。使う場合はあらかじめ電話帳を整理するなど、慎重に対応したほうがいい」と三上氏。同様に「友だちへの追加を許可」もオフに設定する。
次に、ラインを使用する際の「ID」(ユーザーを認識する文字列)設定にも注意が必要だ。不要なトラブルを避けるため、(1)IDを知らない人と交換したり、ツイッターやフェイスブックなどネット上に公開したりしない(2)設定画面の「IDの検索を許可」をオフにする-の2項目が推奨。知らない人からメッセージが届いた場合、相手からのメッセージを届かないように設定する「ブロック」機能が有効だ。
スマホを使い始めたばかりの中高生に対して、三上氏は人の悪口を書いたり、安易な気持ちで自分や他人の写真を載せてはいけないことを強調する。
「ラインでのコミュニケーションをプライベートなものだと思ってはいけない。ネット上の誰が見てもいい内容に留めておくことが重要です」
LINE側も安全対策に力を入れている。出会い目的の利用を抑制するため、各携帯通信会社と協力して昨年12月から18歳未満のID検索の利用制限を開始。中学・高校のPTAや教育委員会向けに説明会も開いている。LINEマーケティングコミュニケーション室の金子智美さんは「ラインも電話やメールと同様に、最低限のマナーが必要。相手の気持ちを考え、思いやりの心を持って使ってほしい」と話している。
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【用語解説】LINE
運営会社のLINE(旧NHNジャパン)が平成23年にサービスを開始。無料通話と、スタンプと呼ばれるキャラクターを使ったメッセージ機能などが好評で、昨年11月にユーザー数は世界で3億を突破、日本でも5000万を超えた。
【デジ番より】
「これって文化面?それとも生活面?」。新しく「デジタルライフ面」をスタートするに当たって、社内でもこんな質問が出ました。「ライフ」とあるから生活面の仲間っぽいですね。でも、日常に役立つ使いこなしだけでなく、思考の道具にまでデジタル機器が深く浸透した現代に生きる私たちの文化を見つめ、取り上げる場にしたいとも考えています。
なので、冒頭の問いの答えは「両方です」。ご意見、ご感想をlife@sankei.co.jpにいただければ幸いです。(光)
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