今年もあとわずか。大みそかには今年一年を振り返り、来年の健康や幸せを願いながら家族そろって年越しそばを食べたい。辻調グループの調理学校「エコール 辻 東京」の日本料理教授、柴田邦彦さん(39)に家庭でおいしく作るコツを聞いた。(竹岡伸晃)
◆たっぷりの湯で
寒い時期なので温かいそばを作る。材料は4人分。麺はコンビニエンスストアなどでも手に入る乾麺(二八そば)を使用。つゆは市販のめんつゆを利用してもいいが、「香りが良く、深い味わいが楽しめる」ことからだしを取って作る。
まず、だし汁を作る。鍋に水と昆布を入れ、中火で10~15分加熱。おいしく味が出たら昆布を取り出し、火をつけたまま、かつお節、さば節を入れる。かつお節だけでもいいが、さば節を加えることで「うまみが深くなり、そばの風味と合う」という。
一煮立ちしたら火を止め、あくをすくい取る。これをペーパータオルなどでこしたものがだし汁。だし汁1300ccにみりん、砂糖、塩、薄口・濃い口しょうゆを加え、ひと煮立ちさせればつゆの完成だ。
次に麺をゆでる。「大きめの鍋に沸かしたたっぷりの湯でゆでる」のが鉄則。目安は「麺100グラムに水2リットル」。湯の中で麺が循環して均等にゆで上がり、ベタベタしたデンプン質が麺に絡まるのを防ぐためだ。ゆで時間は商品表示を基準とし、好みの麺の硬さによって調節する。温かいそばの場合、表示時間よりも少し早めに火を止めると、歯応えやのどごしといった食感が残るという。
ゆで上がった麺はざるに取る。流し台に置いたざるにゆで汁(そば湯)ごと流す方法もあるが、「栄養豊富でそばの香りも楽しめる」そば湯を残すため、今回は持ち手の付いたざるで鍋から麺をすくい取った。
ボウルにためた水に麺を入れて冷まし、ざるで水を切った後、今度は流水にさらしながらもみ洗いする(いずれも東京都国立市の「エコール 辻 東京」)。「ぬめりを取り、粉っぽさをなくす」ために必要な手順だ。1、2本食べて、ぬめりがなくなっているのを確認する。
◆すぐに食べる
器に盛る前に冷たくなった麺を温める。今回は残したそば湯に浸したが、新たに沸かした湯を使ってもいい。
湯を切って器に盛りつけ、そこに温めたつゆをかければ完成だ。麺がのびるとおいしくなくなるため、できたらすぐに食べる。
かけそばとして白ネギを散らし、ゆずを一かけ添えた。「お好みでかき揚げや油揚げ、わかめ、鴨肉、鶏肉、豚肉などをのせてみては」と柴田さん。「ゆずや七味、三つ葉、ショウガ、ごまなど香りがあるものを添えると、よりおいしさが増す」とアドバイスしている。
生麺の場合も手順は乾麺とほぼ同じ。ゆで時間は商品の表示や店で確認する。「麺がのびやすいため、温かいそばを作る際は少し硬めにゆでるのがお勧め」だという。
■材料(4人分)
【だし汁】水2000cc▽昆布、かつお節、さば節各20グラム
【つゆ】だし汁1300cc▽みりん25cc▽砂糖大さじ1/2▽塩少々(1つまみ程度)▽薄口しょうゆ、濃い口しょうゆ各30cc
【麺】1人前=100~120グラム
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131231-00000502-san-life










