●電源タップをチェックして、問題があったら安全な製品に交換する
年末に大掃除を行う家庭は多い。普段の掃除では手を出さない部分も、大掃除のときならば手を出してみようという方も多いのではないだろうか。ここでは、手軽だが効果の大きい、ちょっとした電化製品の設備更新を紹介したい。
一般家庭では、壁コンセントは1カ所につき1口か2口が標準だ。そのため、多くの電化製品を一度に使用する場合、電源タップは必須の機器だ。しかし、必須ではあるのだが、普段はほとんど存在を意識されていない機器のひとつでもある。自分が使用している電源タップの型番、あるいは製品名を覚えているという人はほとんどいないはずだ。なかでも、テレビやレコーダーなどAV機器、またはデスクトップPC回りで使用しているものは、普段抜き差しすることもないため、特にその存在が希薄な傾向がある。大掃除の際にチェックしてみてはいかがだろうか。
電源タップは身の回りにあるごく普通の機器なのだが、よくよく考えると交流100Vをダイレクトに抜き差しする機器でもある。外からは見えにくいが、接点部分では火花も飛んでいる。また、製品寿命といったものも特に指定されてないため、とんでもなく昔の製品が現役で使用されていたりする場合がある。あまりにも古いものは使用を控えたほうが賢明だ。
チェックするポイントは、コード部分に傷みがないか、差し込み口部分にホコリがたまっていないか、変形がないかといった点だ。また、振ってみて中からカラカラと音がするような場合、内部に異物が入っているので、分解して取り出すか、分解できない構造のものは使用を控えたほうがよいだろう。
電源タップのコードの傷みは、無理に引っ張ったり、コードを家具が踏みつけていたりという使用上の不注意から発生する場合が多い。また、樹脂製の被覆には経年劣化が発生する場合がある。コードの被覆が破れていたら、新しいものに交換するべきだ。そうではなく一部が傷付いている場合でも、その部分の強度が落ちているので、早めの交換を勧めたい。
差し込み口部分にホコリがたまるような環境で使用する場合は、トラッキング現象を防ぐためにも、耐トラッキング性能が高く、差し込み口にフタが閉まるタイプのタップに交換するのがオススメだ。トラッキング現象は、電源プラグに付着した埃に湿気が加わることで加熱し、最悪の場合は火災にまで至ってしまう現象だ。
変形があった場合、おそらくそこでいずれかの機器がショートしたか、あるいは何らかの原因で加熱したと考えられる。この場合、タップだけでなく接続している機器側もチェックしたい。また、極端なタコ足配線は加熱を招くおそれがある。
●手軽で便利な人感センサー付きLED電球
人がその場所に近づくと照明が点き、遠ざかると消える……このような人感センサー付き照明は利便性が高く、消し忘れもないため省エネにも効果がある。センサーを照明器具のつながった屋内配線に組み込む形で、新築時やリフォーム時に取り付けるのが一般的だ。
下の写真は、アイリスオーヤマがエコハイルクスブランドで販売している「LDA4N-H-E17SH」( http://news.mynavi.jp/news/2011/04/14/081/index.html )という製品。E17口金に対応した斜め取り付けタイプの人感センサー付きLED電球だ。電球の電源部分にある楕円形の部分が人感センサーで、設置高が2mのときには半径1.5m、2.5mのときには半径2m、3mのときには半径2.5mの範囲の人を検知する。
全光束は300lm(ルーメン)で、小型電球25W相当。あまり広くない玄関や廊下などで使用するのならば、何とかなる明るさだ。
下の写真が、実際にLDA4N-H-E17SHを取り付けてみたところだ。斜め取り付けタイプのLDA4N-H-E17SHは、このような横にソケットのある小型のダウンライトなどに使用することが想定されている。根元部分が回転するようになっており、センサーや発光部分の角度を下向きに合わせることが可能だ。センサーの範囲内に近づくと点灯し、その範囲から出ると約3分間で消灯する。
専用のセンサーを照明用の配線に組み込んだ場合には、その配線につながった照明の一括制御や、検知範囲の調整が可能だ。また、単純なセンサーによる制御だけでなく、タイマーや調光、PCなどからのコントロール機能、HEMSとの連携機能などが組み合わされている場合もある。人感センサー付きLED電球にはそこまでの機能はないが、単純にオン/オフだけでよいのなら、便利なアイテムだ。何よりも、既存の照明器具に取り付けるだけでセンサー付き照明になるという手軽さが大きなポイントだ。
エコルクスブランドの人感センサー付きLED電球には、ここで取り上げたE17口金用の斜め取り付けタイプ以外に、垂直取り付けタイプ、E26口金用のモデルがラインナップされている。E26口金用はすべて垂直取り付けタイプで、全光束は、昼白色で300lm(20W相当)~850lm(60W相当)、電球色で250lm(20W相当)~650lm(50W相当)だ。
●蛍光灯から直管LEDへの交換はコスト的にメリットがあるのか
最近ではスーパーマーケットでも販売されている直管LED。蛍光ランプに比べて寿命が長く、消費電力も低いのが特徴だ。既存の器具にそのまま取り付けられる製品が人気となっている。しかし、直管LEDの価格は蛍光ランプよりも圧倒的に高く、果たして全体的にみてコスト面でのメリットはあるのかどうか、気になるところだ。
LED照明のコーナーでは「蛍光灯からLEDに変えるとこれだけ電気代がおトク」という表示が行われている場合がある。しかし、あまりにもLED側に有利な条件での表示が行われている場合が多いのが問題だ。
まずは、ここでもLEDに有利な条件での比較を行ってみよう。蛍光ランプは東芝ライテックの「メロウZ PRIDE」( http://news.mynavi.jp/news/2009/07/30/082/index.html )、直管LEDはグリーンハウスが「elchica(エルチカ)」ブランドで販売している「GH-LTD」で、いずれも20W形で比較している。なお、お断りしておくが、これは別にグリーンハウスがLED側に有利な条件で表示を行っているという意味ではない。あくまでも一般論だ。
メロウZ PRIDE(直管20W形)の定格寿命は15,000時間で、消費電力は18W。900円前後で販売されていることが多いようだ。一方で20W形のGH-LTDの場合は、定格寿命が40,000時間で、消費電力が10W。7,000円前後で販売されていることが多いようだ。
GH-LTDが定格寿命40,000時間なので、それに合わせるとメロウZ PRIDEは3本必要になる。その間の消費電力はGH-LTDが400kWhで、メロウZ PRIDEは720kWhだ。
東京電力の1kWhあたりの従量電気料金を当てはめてみると、第1段階で18.89円、第2段階で25.19円、第3段階で29.1円なので、GH-LTDの電気代は、第1段階の場合が7,556円、第2段階の場合が10,076円、第3段階の場合が11,640円だ。一方メロウZ PRIDEは、第1段階の場合が13,600.8円、第2段階の場合が18,136.8円、第3段階の場合が20,952円になる。当然のことだが単価の上がる第3段階が一番大きな差となる。これにランプの価格をを加えた総コストは、第1段階では1,744.8円、第2段階では3,758.8円、第3段階では5,012円、直管LEDのほうが低いことになる。これがLEDに有利な計算だ。
どのあたりがLEDに有利なのかというと、それは直管LEDの定格寿命である40,000時間で計算している点だ。直管の蛍光灯はシーリングライトでも使用されるが、キッチンや洗面所などのあまり長時間点灯しない場所に使用されている場合も多い。そういった場所の蛍光灯では、蛍光ランプの交換をしたことがないという場合も珍しくない。
コストをメロウZ PRIDEの定格寿命である15,000時間で比較してみるとどうだろうか。使用時間が15,000時間でも、GH-LTDは1本必要だ。一方のメロウZ PRIDEは1本で済むため、40,000時間の場合の3分の1のコストになる。
消費電力はGH-LTDが150kWhで、メロウZ PRIDEが270kWhだ。GH-LTDの電気代は、第1段階の場合が2,833.5円、第2段階の場合が3,778.5円、第3段階の場合が4,365円だ。一方、メロウZ PRIDEは、第1段階の場合が5,100.3円、第2段階の場合が6,801.3円、第3段階の場合が7,857円になる。これにランプの価格をを加えた総コストは、第1段階では3833.2円、第2段階では3077.2円、第3段階では2,608円、メロウZ PRIDEのほうが低いことになる。
総コストは点灯時間によって変わってくる。あまり使用しないところまでLEDにする必要性は低そうだ。
さらに別な角度で蛍光ランプに有利になる条件の比較をしてみよう。40,000時間を少し越える45,000時間で比較すると、メロウZ PRIDEは定格寿命15,000時間なので40,000時間のときと必要なランプの数は変わらないが、GH-LTDの場合は2本必要になる。つまり、ランプのコストは倍の7,000円だ。この価格を加えた場合、第3段階の電気料金でも、蛍光ランプのメロウZ PRIDEのほうが低コストになる。これはちょっと極端な例で、さらに長期間で比較すするとGH-LTDのほうが抵コストになるのだが、蛍光ランプのほうが低コストになる期間もあるということは確かだ。
http://news.goo.ne.jp/article/mycom/trend/mycom_901503.html