厳しい芸能界で少しでも自分を美しく見せる努力をした経験、エステティシャンとして延べ1万人以上のお客様を施術した経験を通して、苦しいダイエットばかりでは心身に及ぼす影響があまりに大きいことを実感。我慢しすぎるとその反動も大きいのです。コラムでは、いかに楽しくハッピーにボディメイクするかという美道を伝授します!
無理なダイエットの弊害
今から思えば、芸能界にいた20代前半はマネージャーさんからのプレッシャーもあり、ずいぶん過激なダイエットをしました。グレープフルーツダイエット、ゆで卵ダイエット、サラダのみダイエット、食べないダイエットなど、数知れません。どれも成功どころか、お肌が汚くなり、身体も疲れやすくて、寝ても寝足りない状態。気持ちにも余裕がなくなり、友達にあたってばかり。
私のサロンのお客様にも、何も食べないで、水だけ飲んでゴロゴロ寝てれば痩せる!と思いこんで実行したチャレンジャーがいます。確かに、痩せました。でも結果はしわしわのタルタル。逆に老けて見られて、彼女は二度とそんな挑戦はしないと誓っています。
そうなんです。無理なダイエットをしていると、頬がこけ、お肌ががさがさになり、月経が止まってしまうことだってあります。イライラして、何のやる気も起きなくなることも!ダイエットのストレスで、女性ホルモンが低下してしまうことが原因の1つでしょう。これはダイエットの持つ怖い部分です。場合によっては、心の病いを引き起こしてしまうことだってあるんです。
そして私が本当に残念なのは、無理なダイエットでは、女性らしさをアピールできる大切なバストのお肉から落ちてしまうことです。それでいて1番痩せて欲しい下半身は、なかなか落ちません。そういう経験って、ありますよね?スッキリしたくてダイエットしたのに、お肌がたるんで、メリハリのない身体になって、逆に太って見えてしまう…
エステ業界では、上半身に比べて下半身は6倍もお肉がつきやすいと言われています。そして、仮に10キロ痩せたとすると、そのうち6キロは脂肪で4キロは筋肉だとも。残念ながら筋肉がなくなると、ますます脂肪を燃焼させづらくなり、痩せにくい体質になってしまいます。ずっとダイエットしてるのに、何故かうまくいかない時はそんな負のスパイラルに落ちているのかもしれません。
最近では、皮下脂肪に存在するスーパー細胞が、自己修復機能を持つ優れものとして注目されています。ほとんどの人が脂肪は無駄!と決めつけていると思いますが、決してそんなことはないことが分かってきています。身体や心に負担をかけてまでダイエットするぐらいなら、逆転の発想。そのお肉を生かして、健康的にメリハリをつけて、見た目体重を減らしてしまえばいいのです。
50代のお客様の変身
ある時、私のサロンに、固い職業についている50代の女性がやってきました。その方は全体的に暗いトーンのコーディネートで、長めのスカート、たっぷりめのセーターを着て、とても恥ずかしそうなご様子。
部分的に痩せたい、でもバストが小さくてコンプレックスというお話を伺い、今あるお肉を動かして、バストへ高さを出すような施術を続けたところ、谷間ができてきたと大喜び。そうなると周りからは痩せた?とか、顔が小さくなった!と驚かれるようになりました。
人の視線をひきつけるポイントを作るマジックです。今では胸元があいたトップスに真っ赤なタイトスカートをはいて、明るく元気に「さおりちゃ~ん!元気?」と言いながら、サロンに入ってきます。痩せたわけでも、顔が小さくなったわけでもないのに、見た目も性格も大変身。私のサロンでは、これは珍しいことではありません。
お客様のトリートメントをしていて実感するのは、柔らかいお肉ほど動きやすいということです。私がお伝えしたいのは、無理なダイエットをする前に、今ついている肉を動かしてほしいということです。
上半身のお肉はバストに。下半身のお肉はヒップに。バストやヒップに高さがでれば、健康的で女性らしいメリハリが生まれて、自然と見た目がスッキリするのです。
こんな例をたくさん見ているから、だから私はダイエット反対派です。