清掃用具レンタルやクリーンサービス事業を手がける「ダスキン」。同社クリーンケアグループ副主事の世良博文さんは、ハウスクリーニング歴20年以上の、まさに掃除のプロ。年末の大掃除は近い。世良さんに裏ワザを聞いた――。
■カビを根こそぎ湿布法
「風呂場のカビ、コンロや換気扇の油汚れは、主婦が最も嫌がる場所。すなわち、年末にお父さんが掃除させられる場所です。ピカピカにすれば株も上がりますよ」
まずは風呂場。盲点がシャワーホースの裏側だ。目につきにくく、ホース表面には大概凹凸があるので、そこにカビが根を張る場合が多い。
「こういう場合は“湿布法”です。漂白剤をかけたら台所用ラップで包み、10~15分放置するのです。こうすると液剤が蒸発せずにしっかり染み込み、カビや汚れを根こそぎ落としてくれます」
タイルの接ぎ目(コーキング)には、こより状にしたティッシュがフィットする。
鏡やカランにこびりついた頑固な水アカには、台所用のクレンザーだ。ただし、普通のスポンジだと、研磨剤がスポンジに吸収されてしまう。そこで世良さんがすすめるのがジーンズの切れ端。無駄なくクレンザーを塗り渡らせることができ、布地表面の適度なザラつきが、汚れ落としには絶妙なのだ。お試しあれ。切れ端はジーンズショップなどでタダでもらえることが多い。
■45度のお湯で漬け置き
「コンロ、その真上のタイル壁、そしてレンジフード(換気扇)を一直線につなげた部位を“Iゾーン”と呼びます。台所で最も汚れやすく、落ちにくい場所です」
特に強敵なのはコンロの五徳や受け皿だ。これらは“漬け置き洗い”に限る。
「大きめのゴミ袋を2枚重ね、口を開けてシンクに用意。その中に汚れた五徳や受け皿、それらが浸るぐらいのお湯(45度くらい)、台所用漂白剤を入れ、10~15分放置します。この時、袋の口をしばっておくと保温効果大。温度が高い方が汚れも落ちやすくなります」
薬液を捨てる場合は、袋の隅をハサミで切れば簡単。含まれる漂白剤が排水口もきれいにしてくれるので、一石二鳥だ。
■壁は“下から上へ”
レンジフードやその下の垂直のタイル壁は、液ダレしやすいので、直接洗剤をスプレーするのはNG。液ダレはシミの原因。一度スポンジにかけてから、下から上に、弧を描くように塗りつけるのがコツだ。
ちなみに洗剤は、酸性=水アカやせっけんカスなど水回りの汚れ、アルカリ性=たばこのヤニや油汚れと覚えておくといい。ただし、どちらも素材を傷めたり、手肌が荒れやすいので、軽い汚れなら中性洗剤でOK。
スポンジは、目の細かいものから粗い物まで、数種類用意すると便利。
「汚れが落ちるのは楽しいですね。家がきれいになると、心もピカピカになります」
この心意気も見習おう。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131215-00000011-nkgendai-life