年のせいと思いこみがちな「ひざの痛み」。実は関節の軟骨が変形していることが多い。ひざの激痛を解消する選択肢を紹介!歩けなかった人が歩けるまで回復する方法も。
●ひざの痛み
日本人の5人に1人、2500万人もの人がひざの痛みに悩んでいる。
その中でもっとも多いのが「変形性ひざ関節症」が原因の痛み。
●変形性ひざ関節症とは
ひざ関節には腿側の大たい骨とすね側のけい骨がある。
その骨の両端には軟骨があり、クッションの役割をしている。
しかし、年齢を重ねるとこの軟骨がすり減っていき、骨同士がぶつかるようになり痛みが生じる。
これが変形性ひざ関節症。筋肉の痛みと違い、痛みが続くことが多い。
<変形性ひざ関節症の主な症状>
・立ち上がる時に痛い
・ひざがこわばる
・歩き始めに痛い
・正座しにくい
・階段の上り下りで痛い
<ひざの悪化が進むと>
・安静にしていても痛い
・歩くのが困難
→こうした症状が出てきたら、整形外科を受診する。
●バッドチョイス(悪い選択)
変形性ひざ関節症は「太る」と悪化してしまう。
・階段の上り下りをする時、ひざには自分の体重の2~3倍の重さがかかる。例えば70キロの人にはおよそ200キロの重さがひざにかかる。
もう一つが、「動かないこと」。
痛みがあるとき、安静にすると、変形性ひざ関節症の場合、痛みを悪化させる悪循環が起きる。
「痛みの悪循環」
ひざが痛いと動かない→運動不足→ひざを支える筋力の低下・肥満→よりひざに負担がかかる。
この悪循環に陥るほど痛みが増していき、最悪の場合寝たきりになることも!
他にも変形性ひざ関節症を悪化させるのは
「O脚X脚」
まっすぐな脚の人と比べるとO脚やX脚の人は体重がひざに偏ってかかる。そのため、軟骨の片側がすり減りやすくなるので、痛みが起こりやすい。
●チョイス (オススメの選択)人工関節置換術
痛んだ大たい骨やけい骨、軟骨を切り取り、その部分を人工関節に置き換える手術。
年間およそ7万件行われる信頼性の高い手術。
コバルトクロム合金などで出来ており、耐久性は20~30年ある。
□手術のリスク
手術の際、細菌が入る感染症のリスクがある。およそ2%以下。
□O脚やX脚も治る
手術はコンピューターを使って正確に骨を削りとり、人工関節を埋め込むので、脚がまっすぐになる。このおかげで術後も体重をひざ全体で受け止められるようになるので、ひざの悪化を防ぐのに効果がある。
●チョイス (オススメの選択) 運動で悪循環を断ちきる
少し痛みがあっても、「大たい四頭筋」を鍛える運動をすることで、痛みの悪循環を断ち切れる。
運動→筋力アップ・減量→ひざの負担や痛みが減る→動ける
上記の好循環に変わっていく。この運動は変形性ひざ関節症の「予防」にもなる。
●脚上げ運動
準備するものは椅子のみ。椅子はキャスターなどがついていない安定したものが良い。
(1)椅子に座り、両手で座面の両脇をつかむ。
(いすからすべり落ちないようにするため)
(2)片方の脚を床から20センチほどあげる。
(3)5秒ほどたったら下ろす。
(4)3秒休んでもう一度。
(5)これを20回ほど繰り返す。
(6)反対の脚も同じように行う。
この運動で「大たい四頭筋」が鍛えられる。
NHK「チョイス」2013年7月6日(土)放送分
http://news.goo.ne.jp/article/choice/life/medical/choice-20130706-c-001.html