■県、来春にも大阪に拠点、関西圏へ観光・物産PR強化
北陸新幹線長野-金沢で2日、実施された初の検査車両の走行試験に、県内の沿線各駅でも歓迎式典が開かれ、市民らが歓声で出迎えた。県内では関西への県産品の売り込みや観光客誘致を期待しており、開業に向けて、PR戦略を仕掛けていく考えだ。
◆市民ら歓迎
新駅が建設され、県の西の玄関口として期待される上越市の上越妙高駅に午前6時すぎ、JR東日本の新幹線検測車「イーストアイ」が到着すると、約200人が出迎えた。
上越市の村山秀幸市長は「20年にわたる新幹線の誘致にまた一歩近づいた」とあいさつ。上越市の郡司遥夏さん(11)は「新幹線で東京や金沢へ観光に行きたい」と興奮していた。
糸魚川市の糸魚川駅では正午頃、くす玉を割って到着を歓迎。糸魚川市の米田徹市長は「市民と手を携えてPRしたい。今日がその第一歩になればいい」と笑顔。同市の山岸彰さん(56)は「車両を見て開業が待ち遠しくなった」と話した。
◆大阪から3時間半
北陸新幹線が金沢まで開通すると、大阪から上越地域までは現在より約1時間短縮され、3時間半で結ばれる。
県は関西圏への販路拡大や観光誘客を期待。泉田裕彦知事は「北陸新幹線開業に伴い関西圏へのPRを強化したい」としている。
来春にも大阪市北区の大阪駅前の地下街「ホワイティうめだ」に観光と食の魅力を関西に伝える情報発信拠点を設置。1日約40万人が訪れる同地下街の約60平方メートルの店舗で、県産品を販売し観光情報を提供する。
改装費などの諸経費約3千万円を盛り込んだ補正予算案を4日開会の県議会に提出する予定だ。
◆ツアーづくりを支援
県観光協会の大阪観光センター(大阪市北区)と県大阪事務所(同)は4月に組織を拡充し、物産と観光の両面から誘致策の強化に乗り出した。
同協会は「関西の旅行会社による新潟の観光商品作りを促したい」(吉川孝之常務理事)との狙いで、初の商談会を9月に大阪市で開催。日本旅行や近畿日本ツーリスト、阪急交通社など約20社に商品企画に必要な新潟の観光素材を売り込んだ。来春も商談会を開く。10月からは、自然の恵みを背景とするコメや地酒などの良さを伝授する消費者向け「関西人のための新潟のええとこ・うまいもんゼミナール」を開催。来年2月にかけ開く5回講座で、計約400人の来場を見込む。
県によると、平成24年の観光客数は7086万人。うち近畿圏(大阪や三重など2府5県)からの観光客は1・2%(86万人)にとどまるが、「発信力次第で観光客を増やせる」(産業政策課)と期待している。
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