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屋内でも低体温症、命に関わる危険も

高齢になると暑さや寒さを感じにくくなるため、冬場、屋内にいても低体温症に陥ることがある。命に関わる危険もあり、予防を心がけたい。

低体温症は、通常なら37度程度に保たれている体の内部が、35度以下になる状態。重症化すると血液の循環が滞って意識を失い、亡くなってしまう場合もある。

山での遭難や、酔っぱらって寒い場所で眠ってしまった時など、特殊な状況下で低体温症は発症すると思われがちだ。ところが、日本救急医学会の熱中症に関する委員会委員長で、昭和大医学部救命救急センター(東京)教授の三宅康史さんは「冬の低体温症は60歳以上の高齢者が8割近くを占め、屋外よりも屋内で多く発症している」と指摘する。

同委員会が、2010年12月~11年2月に全国の救急医療機関68か所で低体温症と診断された418件について調べた結果、303件が屋内での発症で、60歳以上に限ると屋内が8割を占めた。

三宅さんは「60歳以上の場合、肺炎など別の病気が原因で発症するケースも多い。食欲の減退など体力低下の兆候や、持病の悪化があった時は、特に注意が必要」と話す。

日頃の予防について、高齢者の訪問診療を行う松尾クリニック(大阪府八尾市)院長の松尾美由起さんは「年とともに暑さや寒さに対する感覚は鈍くなる。若い時と比べて平熱が下がり、低体温症の基準の35度に近くなる危険が大きいことも知ってほしい」と話す。冷え切った部屋に薄着でいたり、暖房をしていなかったりする高齢者も見かけるという。

体の熱を逃がさないよう、暖房と服装に工夫が必要だ。室温は20~22度にし、保温性が高く、汗が乾きやすい下着を含めて3枚ぐらい重ね着をする。エアコンの温風が苦手な場合、ホットカーペットや床暖房を使うといい。

衣類のゴムの部分が重なると圧迫されて血流が悪くなる。首や手首、足首など太い血管が通る部分は、ネックウオーマーやレッグウオーマーなどで保温するといい。

寒さを感じにくい人は熱さに対する感覚も鈍くなっており、カイロや湯たんぽを直接体に当てると低温やけどの恐れがあるので避けたい。松尾さんは足湯をすすめる。「洗面器に湯を張り、血行促進効果のある入浴剤を入れて10~15分手足を浸すと、体全体が温まります」

散歩など適度な運動をし、食事をきちんと取って、体調管理をすることで体温を保つことも大切。座ったまま足首の曲げ伸ばしなど関節を動かすだけでも血流が良くなる。

指先などの末端の感覚が鈍くなる糖尿病などを患う人は、特に対策に気を配りたい。松尾さんは「家族と同居していても、高齢者は寒さを訴えないので低体温症になっていても気づきにくい。一人暮らしの場合は、見守りをする人が、暖房のタイマーをセットするなどの配慮をしてください」と話している。

【低体温症を防ぐ対策】

▽高齢者は寒さを訴えない場合が多い。平熱を把握した上で、周囲が注意する

▽暖房を使って室温を20~22度程度に保つ

▽重ね着は3枚程度に。ネックウオーマーやレッグウオーマーも活用する

▽入浴剤入りの湯に足先や手先を浸して温める

▽足首の曲げ伸ばしや肩の上げ下げなど、関節を動かす運動で血流をよくする

(松尾さんの話を基に作成)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131122-00010001-yomidr-hlth

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