気温や湿度が低下し、手荒れが気になる季節になった。かさつきを放置していると皮膚が硬くなり、手肌の表面に亀裂が生じる。手荒れの予防と対処法について、野村皮膚科医院(横浜市神奈川区)の野村有子院長に聞いた。(油原聡子)
◆重症化も
手荒れは、手を使うことによって皮脂が奪われて起こる。野村院長は「冬になると空気が乾燥する。お湯を使うことも増え、皮脂が失われる機会が多い」。皮膚がかさつき、隙間に水や洗剤が入り込むと、ますます手がかさつき、あかぎれが生じてしまう。ひどくなると亀裂が生じ、出血することもある。
ひび割れや赤みが目立つ程度の症状の場合は自宅でのケアで対処できることもある。しかし、赤く腫れたり、猛烈なかゆみを感じたりするなど重症化した場合には専門医で受診する必要がある。
手荒れに悩むのは女性が多いが、砂遊びで子供の手も荒れることがある。小さい子供がいる場合も注意しよう。
対策には毎日のケアが重要だ。水仕事をするときは、薄手の綿の手袋の上にゴム手袋をする。「ゴム手袋だけでは蒸れてかゆくなることがあるので注意して」と野村院長。
手を洗うときも注意する。高温のお湯だと皮脂を奪い過ぎて乾燥を招くので、ぬるま湯にする。また、ハンドドライヤーを使うと指先を乾燥させてしまいがち。吸水性の高いハンドタオルやハンカチを使うのがいい。
◆症状に合わせて
保湿に有効なのがハンドクリームだ。さまざまな種類があるが、症状に合わせて選ぶ。
「ビタミン系」は血行を改善し、水分と油分を補給する。予防的に使うなら「保湿系」だ。「尿素系」は皮膚の角化した箇所に使うといいが、「角質を溶かす働きをするので皮膚の薄い所は避けて使って」と野村院長。かゆみが気になるなら「かゆみ止め系」を使おう。
仕事中に使う場合は、べたつかないもの、気分転換になるような香り付きのものなど用途に応じて選ぶ。ただ、野村院長は「香料が強いものは香料でかぶれることがあるので、症状がひどいときは控えた方がいい」とアドバイスする。
塗り方にも意識する。手のひらに塗る人が多いが、手の甲にも忘れずに塗る。指の一本一本も丁寧に塗る。
手荒れの症状が気になるときは、最初の3日間は両手の人さし指の指先から第一関節までに載る量を使う。就寝前に使うときはハンドクリームを塗った後、綿の手袋をして寝ると浸透力が高まり、効果的だという。
スマホ対応のべたつきにくいハンドクリームも
手荒れ対策に効果的なハンドクリーム。渋谷ロフト(東京都渋谷区)では、店頭に120種類以上のハンドケア商品が並ぶ。ハンドクリームは香りの良いフレグランス系と自然素材を使ったナチュラル系が充実している。
若い世代に人気なのが、スマートフォン(高機能携帯電話)対応のハンドクリーム。「スマホするするハンドクリーム」(1260円)は、べたつき感が少なく、画面を触っても汚れが付きにくいのが特徴だ。
美容液が入った手袋状の「ハンドマスク」も種類が増えてきた。プチコレベイビーハンド(315円)は美容液を染みこませた手袋の上にビニールの手袋を着用する。10分後に外し、美容液を手になじませてケアする。
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