緑内障の第1回。緑内障は初期には自覚症状がほとんどないため、進行してから気づくことも多く、失明に至る可能性もある。日常のサインは読書困難や歩行困難や運転困難。
1.緑内障とは
緑内障は視神経が障害されて視野が徐々に欠けていく病気です。ほうっておくと失明のおそれがあり、現在、中途失明の最も多い原因となっています。
緑内障は主に眼圧(眼球の内側から外側にかかる圧力)の影響で起こります。水晶体と角膜の間は房水で満たされていますが、この産生と排出のバランスが崩れると眼圧が上昇し、視神経の束である視神経乳頭が圧迫されます。この状態が続くと、視神経が障害されて視野が欠けていきます。多くの場合、視野の欠けがあっても両方の目が互いに補ったり、脳がイメージを補うため、初期に異常に気づくことはほとんどないのが特徴です。
2.緑内障のタイプ
原発閉塞隅角緑内障では、隅角(房水の出口)が虹彩によって塞がれて、眼圧が上昇します。徐々に塞がる慢性型と、急激に塞がる急性型があり、急性型では急性発作と呼ばれる「目の激しい痛み」「頭痛」「吐き気」などの症状が突然起こります。症状が現れた場合はすぐに眼科を受診してください。
原発開放隅角緑内障は、隅角が虹彩で塞がれていないタイプの緑内障です。眼圧が高いタイプ(何らかの原因で隅角から房水が排出されにくくなる)と、房水の流れには異常がなく眼圧が正常な正常眼圧緑内障があります。これは、視神経が弱かったり、血液循環が悪かったりするために、眼圧が正常範囲内(10~20mmHg)でもその人にとっては高すぎる状態なのではないかと考えられています。日本人に非常に多く、患者さんの約7割を占めています。
続発緑内障は、緑内障以外の目の病気や外傷、全身の病気(糖尿病など)、薬(ステロイド薬の長期使用など)の影響で眼圧が上がるために起こります。
3.緑内障を見逃さないために
緑内障では「読書が困難」「まぶしく感じる」「文字がうまく書けない」「歩行が困難」「自動車の運転が困難」といった日常生活での支障があることがわかっています。こうした支障がある場合は眼科を受診しましょう。
緑内障を早期に発見するためには、眼圧検査、眼底検査、視野検査の3つの検査が重要です。特に、緑内障を発症した血縁者がいる人、発症リスクの高くなる40歳以上の人は、年に1回検査を受けることが勧められます。
http://news.goo.ne.jp/article/kenkotoday/life/medical/kenkotoday-20131009-h-001.html