つけ置き洗いで皮脂落とす
季節はずれの暑さが収まり、衣替えをする人も多いだろう。夏物は、黄ばみなどを防ぐため汚れをしっかり落としてからしまうことが大切だ。
花王(東京)生活者研究センター主任研究員の弦巻和かずさんは、「夏物をしまうときは黄ばみ対策が必要」と話す。
黄ばみの原因は、汗に含まれている皮脂の汚れ。普段の洗濯で繊維に染みこんだ脂を落としきれないままだと、しまっている間に、脂が酸化して生地が黄ばんでしまう。
そこで弦巻さんが勧めるのが、つけ置き洗いだ。衣類のタグを見て水洗い可のものが対象。綿100%でも表面に特殊な加工が施してあることがあるので、必ず確認する。
洗濯槽の「低水位」(30リットル前後)のレベルに水を張り、酸素系漂白成分が入った粉末の洗濯洗剤約60グラムを溶かして濃度の高い洗剤液を作る。液体洗剤でも漂白成分が入っていればつけ置き洗いに適している。低水位で水を張って、高水位分の量の洗剤を入れる。つける枚数は1回に2、3枚が目安。液につけたまま1時間程度置く。その後は、他の洗濯物も一緒に入れて、水位を上げて普段通りに洗濯機を動かせばよい。
洗濯槽に衣類を詰め込みすぎると、洗いきれず、汚れが残る原因になるので気を付ける。汚れが付きやすい襟や袖口は、部分洗い用の洗剤を付けて洗うといい。
弦巻さんは、「特に、白いシャツは黄ばみが目立ちやすいので、ぜひつけ置き洗いをしましょう。皮脂汚れが残っていると嫌な臭いの原因にもなります」と話す。
しっかり洗濯することは、虫食いの被害を防ぐためにも必要だ。日用品大手「エステー」(東京)研究グループリーダーの船橋一良さんによると、虫食いは、汗染みや食べ物の染みが原因となる。シルクや綿などの天然繊維だけでなく、化繊の服も表面の染みを虫がかじる。「エアコンが完備された暖かい部屋は冬でも虫が活動しやすい状況。夏物でも油断は禁物です」
収納する衣類は、ゆとりをもって衣装ケースの8分目ぐらいまで。その上に防虫剤を置くと効果的だという。カビの発生を防ぐために、吸湿剤などで乾燥した状態を保つ。
アイロンの蒸気でセーターふっくら
ケースから出した冬物のセーターに、しわがついているときは、アイロンの蒸気を当てるとよい。アイロンは押し当てず、少し浮かして蒸気のみを当てると、ふっくら仕上がる。弦巻さんは、「蒸気を染みこませるような感覚でゆっくり動かしてください」とアドバイスする。
襟もとや裾、袖口で編み方が異なる境目の部分が、しわになることがある。そのときは、少し引っ張りながら蒸気を当てるときれいに仕上がる。編み目の粗いざっくりとしたセーターが押しつぶされてふんわりとした風合いが失われているときも、蒸気を当てると元に近い状態に戻る。
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